◇各務原で説明会
日本で93年に広島県で初めて確認された「特定外来生物」のアルゼンチンアリは、1年を通じて家屋にひんぱんに入り込んでくる不快害虫だ。現在では愛知県田原市など11都府県に広がり、岐阜県内では唯一、各務原市で見つかっている。26日には、同市鵜沼南町の鵜沼南町会館で、地元南町区の自治会(後藤佳也区長)が「アルゼンチンアリ対策説明会」を開き、対策や駆除法などを話し合った。
県などによると、07年3月、各務原市鵜沼東町で見つかったのが県内初確認。現在は、鵜沼山崎町、鵜沼南町などでも確認されている。この日の対策説明会には、住民約80人や市生活環境課員、研究者らが参加した。
国内にも数少ないアリ研究者である県立大垣北高校の木野村恭一教諭は「アリが好きで40年間アリの研究をしてきたが、初めて嫌いなアリに出合った」と話し、「寒い時期にも活動するし、在来のアリをどんどん駆逐してしまう」と生態系への影響を訴えた。
更に「今いる地域から外へ持ち出さないことが大切。植木鉢や花の苗などに付いているアリを知らないうちに広げてしまわないように」と訴え、「駆除には地域が一致団結することが重要」と呼びかけた。
被害に悩んでいる近隣の山崎区からは、第1自治会長の川瀬磐(いわお)さんが現状を報告。「置きっぱなしのプランターや植木鉢、木材などは格好の巣となる。仏壇のまんじゅうにアリがたかって真っ黒になっていたこともある。エサを置かないこと。家の中と外でアリが好む環境を一つずつなくしていくこと」と、経験を基に話した。また、鵜沼南町の勝野武男さんは「深刻な状況だ。行政や役員任せでなく、自分たちでしっかりやろう」と話した。
会場では、参加者から市担当者への質問も相次いだ。空き地や空き家の薬剤散布については、市は「苦慮している」、また、工事で出た土を業者が運び出すことの規制についても「強制力がない」と、行政の限界をのぞかせた。【山盛均】
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■ことば
◇アルゼンチンアリ
1866年、アルゼンチンで発見された。毒性はないがかまれると痛い。体長は約2・5ミリで、茶褐色。スリムな体形で動きが素早いなどの特徴がある。群れには多いときは数百匹の女王アリがいて、次々と卵を産んでどんどん群れが拡大する。雑食性で繁殖力が強く、地中のほかコンクリートのヒビや建物のすき間に入り込んで巣を作る。2月27日朝刊