◇生態系、漁業の被害懸念 増殖防ぐ手だてなく、釣ったら放さず食べて
阿武隈川で北米原産の外来魚「チャネルキャットフィッシュ(アメリカナマズ)」の増加が加速していることが、国土交通省福島河川国道事務所の調査で分かった。同事務所の定期調査による捕獲数08年12匹から、09年27匹、10年66匹と5倍に。在来種を食べて生態系に影響を与えるだけでなく、体長数十センチもあるため、漁網を破るなどの漁業被害も懸念される。増殖を阻止する手だてはなく、同事務所は「釣ったら放流せず食べてほしい」と「キャッチ&イート」を呼びかけている。【関雄輔】
この魚はナマズの一種で、71年に食用として日本に持ち込まれた。背びれと胸びれに鋭いとげを持ち、成長すると1メートルを超える場合もある。茨城県の霞ケ浦などでは深刻な漁業被害を引き起こしている。これまでの生息確認は湖やダム湖が主で、川は珍しいという。
同事務所は毎年、阿武隈川流域10カ所前後で刺し網などをし、1000〜3000匹の魚を捕獲して生息割合を調査している。チャネルキャットフィッシュは05年に須賀川市の森宿地区で初確認され、08年に福島市の信夫ダム周辺でも見つかった。
昨年の調査では、同ダム47匹▽蓬莱ダム(福島市、二本松市)17匹▽森宿地区1匹−−に加え、初めて両ダム下流の伊達橋(伊達市)近くでも1匹捕獲された。体長10センチ未満の幼魚もいるため、川で繁殖して生息域を広げている可能性が高いという。
阿武隈川では、コクチバスとオオクチバス、ブルーギルも急増。3種の合計は94年調査では全捕獲数の0・5%だったが、06年7・6%▽07年20・3%▽08年30・8%▽09年31・4%−−と増加し、昨年は38・3%に達した。一方、古くからいるニゴイやウグイ、オイカワの割合が減少している。
同事務所は「大がかりな駆除は費用面で難しい。チャネルキャットフィッシュもバス類も食べることができると周知に力を入れたい」と話している。2月2日朝刊