先週、絶滅から一転して、生息が確認された「クニマス」。地元の山梨・西湖では、早くも、クニマス効果に期待が高まっている。
18日午前7時半ごろ、幻の魚であるクニマスが見つかった西湖では、多くの人が釣りを楽しんでいた。
秋田・田沢湖のみに生息し、およそ70年前に絶滅したと考えられていた幻の魚「クニマス」。
お魚タレントで、東京海洋大学客員准教授のさかなクンの貢献もあり、先週、70年ぶりにクニマスの生息が確認された山梨・西湖では、この週末に、うわさを聞きつけた太公望たちが、こぞって釣り糸を垂らしていた。
釣り客は「(順調ですか?)いや、順調じゃねーよ、不調」と話した。
普段は、「ヒメマス」や「ブラックバス」が標的となる西湖の釣りだが、クニマスに会いたいと願ってやって来た釣り客は、皆、肩すかしを食らっていた。
釣り客は、「すべて、ヒメマスですね。これで、ちょうど30匹いますね。クニマスに出会えればいいなとは思ってますけど」、「(クニマス)いつか見てみたいなとは思います」などと話した。
一方で、地元の住民は、「クニマス効果」による観光客の増加を期待しているようだった。
「富士西湖温泉 いずみの湯」の堀内 勉さんは「いやー、うれしいですよ、やはりね。わたしどもの温泉を利用するお客さんも、当然増えてくると思いますので、期待したいと思います」と話した。
そして、付近にある西湖野鳥の森公園で行われる「西湖樹氷まつり」では、急きょ、クニマスのオブジェを追加で制作することになった。
西湖観光協会の三浦美信会長は「(これは何をしている?)これは、クニマスの氷像を作ろうとして、その骨組みを作ってるところです」と話した。
この骨組みに水をかけて凍らせ、2011年1月下旬には、巨大なクニマスの氷像がお目見えする予定。
また、「ヒメマス定食」を販売している「お食事処 岬」の朝比奈 一正代表は「マスというと、すぐ『食べる』とか、『おいしい』とかっていう感覚になるが、そうじゃなくて、これを生かした地場の観光に役立てていきたい」と話した。
大きな観光資源の可能性を持つクニマスを食べることには、少々抵抗がある様子。
一方、クニマスの復活を、「釣りキチ三平」で有名な漫画家・矢口高雄さんが、2000年に予言していた。
矢口さんは「(『キノシリマス(秋田でのクニマスの呼び名)』って書いてますね?)これは、要するに田沢湖のクニマスのドラマを書いたものですけどね」と話した。
2000年の「釣りキチ三平」では、全国の湖にクニマスの卵が放流されたという史実を基に、秘密の場所で見事にクニマスを釣り上げるという話を発表し、そこには、水中を悠々と泳ぐクニマスの群れが生き生きと描かれていた。
矢口さんは「10年前に僕は発想したことでしたけれどもね、これがまた現実になってくるなんてのは、本当にうれしいような、身辺ざわついています」と話した。
各方面で物議を醸す、クニマスの再発見。
西湖の地元漁協は、任意の形で禁漁区域を設けることを検討中で、その後、国や県の意向に従いたいとしている。