先日、前橋市で開かれた「第15回ワカサギに学ぶ会」を取材した。全国の漁業者と研究者の集いで、素人の私にとっては発見の連続だった。
ワカサギと聞いて浮かぶのは、白く凍った湖で、氷に穴を開けて糸を垂れる釣り人の姿。湖の魚と思っていたが、原産は北太平洋で、産卵のため川に上る回遊魚という。適応力が高いため、人が湖沼に放流して生息域が広まり、県でも大正期、館林市の城沼に受精卵が放された。
こうしてできた「釣り堀」は、今や貴重な観光資源。県の遊漁者数は1970年代から伸び続け、07年に約9万人とアユを抜いてトップ。釣り具代や交通費を含めた経済効果は年間6億円以上と試算される。
一方で、近年は外来魚による捕食で個体数が減少。暖冬で氷上釣りができないという問題もある。榛名湖では結氷がなかった年に売上高が半分以下に落ち込み、冬釣り用のドーム船導入を検討中という。
さわやかで、ほろ苦い風味を残す冬の風物詩。食卓に上るのは旬の一時だが、意外と人の暮らしに密着した存在だと気づいた。【奥山はるな】11月28日朝刊