外来生物法で「要注意外来生物」に区分けされる北米大陸原産の大型のカナダガンが大崎市古川小野の水田に現れた。国内に持ち込まれ飼育されていたのが野外に飛び出し、生息域を拡大しつつあるとされ、宮城への飛来はその一環とみられる。鳥類研究者らは「自然生態系への影響もあり、数が増える前の防除がますます必要」と指摘する。
カナダガンを確認したのは同市三本木の「雁(がん)の里親友の会」の池内俊雄事務局長(49)。22日に同じ種とされる小型のシジュウカラガンや別種のヒシクイと長時間、一緒に落ちもみを食べているのを見つけカメラに収めた。
カナダガンは自然状態で日本に渡ることはない。静岡県内で民間の手で飼育されていたのが1980年前後に野外に進出したというのが有力な説。これまでに神奈川県・丹沢湖や山梨県・富士五湖などを中心に40カ所で約60羽が確認され、繁殖報告もある。
日本でのカナダガンの生息は本来の営みから外れたもので、環境省は要注意外来生物として動向を経過観察中。神奈川県の県立生命の星・地球博物館の研究者らは大繁殖する前の早期防除が必要と、今年2月に丹沢湖周辺で捕獲作戦を展開し7羽を県内の動物園に収容した。ニュージーランドなど海外では増加したカナダガンの採餌行動で水草への食害や水際の土壌流出などが起きているとの報告がある。
一方、小型のシジュウカラガンは30年近い羽数回復計画の実践でかつてのように北千島から日本に渡るようになった。ヒシクイはロシア・カムチャツカ半島から渡ってくる。どちらも希少な在来種と認識されている。
写真の「3羽一緒」は一見ほほえましいが、本質的には自然生態系に反する構成。池内さんは「数が増えた後の防除は、ブラックバスのように膨大な人手と時間をかけても難しい」と話す。
今回のカナダガン確認は3年前の大崎市田尻の蕪栗沼に次ぐもので、池内さんは「日本雁を保護する会」(栗原市)の呉地正行会長と連絡を取り全国に情報を提供する方針。【小原博人】11月25日朝刊