2010年10月11日

固有種の宝庫を守れ 琵琶湖国定公園指定60年 

 近畿の水がめ・琵琶湖や霊峰・比叡山などの豊かな自然に加え、古刹(こさつ)の石山寺や三井寺など文化遺産も数多い琵琶湖国定公園が、今年で指定60年を迎えた。昭和25年7月24日に誕生したわが国初の国定公園で、風光明媚(めいび)な景勝地として四季折々、全国から観光客が訪れる。琵琶湖が大部分を占める公園エリアは、湖国・滋賀のシンボルになっている。(藤原翔) 

 国定公園は自然公園法に基づき、国が指定し都道府県が管理する。琵琶湖国定公園が指定された当時の資料は滋賀県にもほとんど残っていないが、自然豊かな土地や貴重な文化遺産を大切に守っていくために指定が始まったようだ。現在は56カ所が指定されている。

 琵琶湖国定公園は滋賀県と京都府にまたがるが、総面積9万7601ヘクタールの約98%は滋賀県域だ。約7割を占める琵琶湖周辺には、世界的にも珍しい人が暮らす湖上の島「沖島」(近江八幡市)や、冬化粧が美しい比良山も。このほか、県東部の伊吹山などもエリアに含まれている。

 公園といえばきちんと管理されているイメージが強いが、滋賀県自然環境保全課の柴田智之主任主事(33)は「琵琶湖国定公園には、ありのままの自然があり、動植物がいる」と強調する。

 中でも琵琶湖は固有種の宝庫で、魚類で15種類、植物で2種類が生息。1メートルを超える個体もある国内のナマズ科で最大のビワコオオナマズ、雨の日に湖に遡上(そじょう)するビワマス、コイ科のホンモロコなどが知られている。

 しかし、固有種の魚の成育環境は脅かされている。昭和40年代ごろから、外部から持ち込まれたブラックバスやブルーギルなどの外来魚が繁殖しているためだ。県によると、この2つの外来魚だけで生息数は推定千数百トン。成魚で10センチほどのホンモロコなどの小魚は食べられ、大きな魚も卵が被害に遭っている。

 県は平成15年、釣り客らが琵琶湖で釣った外来魚のリリース(再放流)を禁止する条例を制定。合わせて湖岸付近に回収ボックスやいけすを設置し、年間十数トンの魚が回収されている。

 この結果、外来魚推定生息量(県算出)は14年をピークに減少。21年4月時点で、ブラックバスが5年前と比べて100トン減の300トン、ブルーギルは500トン減の1100トンとなった。だが、依然膨大な数だ。

 「一度減ってしまった固有種は簡単には回復しない」と、県水産試験場の藤岡康弘場長(55)。「稚魚の放流など、地道な努力で琵琶湖を本来の姿に戻し、国定公園にふさわしい姿にしたい」と願っている。

Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2010年10月11日 16:58 in 外来生物問題

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