2010年10月26日

<養殖>環境配慮型の認証制度導入へ 12年からWWFなど

 世界の漁獲量の約4割を占める養殖による海の環境悪化を食い止めようと、NGO「世界自然保護基金」(WWF)などが、環境配慮型の養殖を認証する世界初の制度を始める。養殖で周辺海域が汚染されたり、外来種が持ち込まれるなど、海の環境破壊や生物多様性を損なうのを防ぐことを目指す。制度導入は12年で、国内でもアサリ養殖に取り組む企業が認証第1号を目指し準備を始めた。【永山悦子】

 名古屋市で開催中の国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10=名古屋会議)でも海洋生態系の保全は最重要課題で、注目を集めそうだ。

 東南アジアのエビ養殖で沿岸のマングローブが伐採されたり、養殖向けの幼魚を乱獲されたヨーロッパウナギが絶滅危惧(きぐ)種になった。日本では、養殖用に中国から輸入したアサリと一緒に天敵の貝が持ち込まれ、各地の国産アサリに被害を与えている。

 認証基準は魚種ごとに決められ、「養殖用稚魚を乱獲しない」「過剰な餌や薬剤散布をしない」などと定める。条件を満たすと店頭で「エコラベル」を表示できる。すでに二枚貝とナマズ類で基準が固まり、今後、エビやサケなどで順次策定される。

 国内では、機械メーカー「ヤンマー」が、アサリ養殖の認証を目指す。大分県内の施設でアサリを卵から稚貝(1〜5ミリ)まで育て、各地の漁業者が稚貝をカゴに入れて海面からつるす独自の手法で養殖する。卵は養殖地と同じ海域の国産アサリから採るため、養殖海域の生態系を乱す恐れがなく、卵から出荷まで追跡できる。同社の橋本康治部長は「輸入品と混ざる恐れがなく、漁業者にとって付加価値の高い商品になる。国際的な認証をいち早く獲得し、環境配慮型養殖への理解を広げたい」と話す。

 海の資源管理に詳しいアミタ持続可能経済研究所(東京)の伊沢あらた上級研究員は「養殖による漁獲の比率は増えている。この取り組みは生態系の保護と、安全を求める消費者のニーズにも合う」と期待を寄せる。

Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by jun at 2010年10月26日 10:38 in 外来生物問題, 自然環境関連

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