羽が折れ北帰行できず美里町の鳴瀬川中流域に残留する約10羽のハクチョウが、岸辺に生える外来植物アレチウリ(ウリ科)の新葉を好んで食べ、繁茂を抑える役目を果たしていることが地元の元高校生物教諭、河野真人さん(62)の観察で分かった。河野さんは、繁殖力が強く植生を乱すアレチウリを刈り取るボランティア活動に取り組んでおり、ハクチョウの採食行動を「思いがけない助っ人」と歓迎している。
河野さんは今月中旬、河原の砂地でハクチョウがアレチウリの新葉を次から次に食べ、周りの雑草には見向きをしない場面を目撃した。冬季、ハクチョウはマコモやハスの根や落ちもみ、落ち大豆を採食するが、夏場の残留ハクチョウが食べる餌を確認した事例はあまりない。
アレチウリは一年生草で米国からの輸入穀物に種が交じって移入され近年、全国に広がった。鳴瀬川中流には大群落が数カ所あり、桑やエノキなどの河畔樹を覆い、「緑の魔境」の趣を作り出す。河野さんは昨年、アレチウリの猛威を目にして草刈りボランティアを始めた。
残留ハクチョウの新葉採食がアレチウリの成長を防ぐのは確かと河野さんはみており、偶然ながらハクチョウの採食行動に拍手を送っている。【小原博人】6月22日朝刊