◇アライグマやヌートリア 講習参加で市民も捕獲OK
生態系の破壊や農作物被害を防ぐため、外来生物法で特定外来生物に指定されているアライグマ(北米原産)やネズミと同じげっ歯類のヌートリア(南米原産)の捕獲数が近年、県内で増加し、農作物への被害も増えている。国は昨年度から3年計画で、四国を対象にアライグマ防除モデル事業を実施。今年度から、県や各市町でも対策が本格化する。【吉田卓矢】
◆愛らしいが凶暴
アライグマは、体長40〜60センチで、しま模様のしっぽが特徴。愛らしいが、気性は荒い。
県によると、捕獲数は07年度33頭、08年度64頭で、09年度はそれ以上を見込む。ブドウやスイカなどの農業被害額も06年度約275万円、08年度約452万円と増え続けている。被害は東讃や高松市の牟礼町、庵治町周辺だったが、09年度は綾川町や坂出市でも。また、高松市では民家の屋根裏に営巣、生活環境被害も出てきた。
ヌートリアは体長50〜70センチ。川などの土手や水田のあぜに穴を掘って巣を作る。サツマイモや稲などを食べる。県内の島しょ部以外での捕獲例は無いが、丸亀市本島などで、05〜07年度に4〜5頭、08年度に23頭捕獲され、09年度は更に増える見込みだ。昨年11月には坂出市内でも目撃例があった。
◆近隣県などの状況
アライグマの被害は、北海道や本州ではより大きく、08年度の兵庫県の農業被害額は約6526万円、捕獲数は3133頭。同県は06年6月、防除指針を策定。各市町に防除を働きかけ、現在36市町が同法に基づく防除計画を策定している。
岡山県では、ヌートリアによる08年度の農業被害額は約1700万円、捕獲数は約2600頭に上った。09年度から2年間で、生息実態調査と集中捕獲に計約1億9000万円を計上した。
◆県内での対策
アライグマについて、国は四国を侵入初期地域とした。高松市は国が業者に委託して捕獲、処分する直接防除地区に、坂出、三豊など4市町が国の指導で防除体制を確立する地域防除地区に指定された。
また3月末現在、高松、坂出など5市町がアライグマやヌートリアの防除計画を作り、国の確認を受けた。これで、狩猟免許が無くても、講習会に参加した市民が捕獲、処分できるようになった。
県も今年度、アライグマ・ヌートリア等防除支援事業(約587万円)を当初予算に計上。箱わななどの購入や捕獲、処分の経費を補助、講習会も開く。県は「被害を小さいレベルで抑えたい」としている。農業被害の深刻化に加え、殺処分量増加を防ぐためにも早期対策が求められる。4月15日朝刊