仙台市と市公園緑地協会は、市全域を対象にした初めての野生植物調査の結果をまとめた。自生する植物が2000種を超え、外来種などが野生化した植物が約2割を占めることが分かった。主に市民が収集した約2万点の標本とその目録も作った。地球温暖化の影響など、市内の環境変化を知る指標としても活用できそうだ。
今回確認された自生植物は169科2177種類。科別で最も多かったのは、スズメノカタビラ、カモガヤといったイネ科で222種あった。次いでセンボンヤリ、ヒメジョオンといったキク科の199種で、カヤツリグサ科、バラ科、マメ科が続いた。新種とみられるケシ科の「オトメエンゴサク(シロバナ品)」も見つかった。
外来種や農業用の栽培種が野生化した「帰化・逸出植物」は426種類で19.6%だった。宮城野区の仙台港周辺で採集されたカヤツリグサ科の「ミヤギノガヤツリ(仮称)」(北米原産)は国内で初めて帰化が確認された。
農地でしか育たなかったスイカやイネといった南方系の植物が自生しているケースも見られた。温暖化によって生育可能な場所が増えたと考えられる。
調査は「宮城植物の会」の会員など主婦や研究者ら約40人による「植物相調査委員会」が担当した。2008、09年度に市全域で収集した標本約1万5000点と、東北大植物園(青葉区)の標本などを合わせ、約2万点を専門家の協力を得て分析した。
植物の標本は、太白区の市野草園で保管している。自治体が独自の植物標本を整理する例は珍しく、一般の市民も閲覧できる。全種類が記載された目録はA4判309ページで、公園緑地協会が1000部を作り、図書館など関係機関に配布する。
調査委事務局を務めた元野草園園長の上野雄規さん(62)=白石市=は「多くの植物が確認でき、都市化や温暖化の影響も見て取れた。今後の変化を見る上で貴重なデータになる」と説明。「市の自然環境を考える資料として標本を活用してほしい」と話している。
標本や目録の閲覧の連絡先は仙台市野草園022(222)2324。