2010年03月29日

愛らしくてもご用心、アライグマ増加 福島の寺社でつめ跡確認

 北米原産の特定外来生物アライグマのつめ跡が、福島県内の社寺で目立っている。5本指の鋭いつめを持つアライグマは、居場所として木造建造物を好む傾向があり、関西では貴重な文化財への被害が深刻化している。愛らしい顔立ちでペットとして輸入されるが、在来の生態系を壊し農作物や養魚場を荒らす厄介者。既に47都道府県すべてに生息しており、東北でも十分な警戒が必要だ。

<民間グループが調査>
 つめ跡が見つかったのは南相馬市の岩屋寺や福島市の仏母寺など。関西野生生物研究所(京都市)と日本獣医生命科学大(東京)の調査グループが今月中旬に確認した。

 岩屋寺では本堂や鐘楼堂に多数のつめ跡があった。新しい傷や子どものつめ跡もあることから、付近で繁殖している可能性が高いという。

 岩屋寺は里山や水田に囲まれ、2000年3月に福島県内で初めてアライグマが確認された場所。南相馬市によると、これまでに少なくとも10体が確認されており、果樹などに被害が出ていた。

 星見泰寛住職(45)は「アライグマも人間によって連れて来られた被害者。これ以上増えては困るが、一方的に駆除しろとも言えない」と話す。

 仏母寺は福島市郊外にあり、周囲に民家も多い。県の06年度の調査では、県内でアライグマが確認されたのは8市町村で、福島市は未確認だった。小野俊憲住職(49)は「こんな町場にアライグマがいるとは…」と驚く。

<古い木造建築物好む>
 アライグマのつめ跡は、深い5本線になることが多い。もともとの生息地の北米では大木の「うろ」などで暮らすため、古い木造建造物を好むとされる。

 関西野生生物研究所によると、国宝や重要文化財も多い京都府内の寺社のほとんどでつめ跡が確認されているほか、奈良市の正倉院も被害を受けているという。

 アライグマは繁殖率が高く、天敵のいない国内各地で急増している。福島県は絶滅危惧(きぐ)種トウキョウサンショウウオの北限の生息地だが、アライグマの捕食で生息数が減少していると研究者は指摘している。

 調査をした同研究所の金田正人客員研究員は「東北でもアライグマの問題はもう対岸の火事ではない。住民が当事者意識を持ち、外来生物問題を考えることが大切。行政は防除計画を早急に作り、根絶を目指すべきだ」と話している。

+Yahoo!ニュース-福島-河北新報

Posted by jun at 2010年03月29日 16:56 in 外来生物問題

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