◇志摩市「里海として保全したい」
脊椎(せきつい)動物の最も原始的な祖先で、生きた化石と呼ばれるナメクジウオ3匹が、志摩市の英虞湾で採捕された。西日本の干潟などで見られたが、生息環境の悪化から激減。水産庁が、絶滅の危険が増大している危急種に指定している。
市が三重大海洋生態学研究室の協力で11月19日、英虞湾の生き物調査を実施。湾口部の水深7〜10メートルの海底の砂泥から、体長5センチ前後の3匹を捕らえた。鑑定の結果、ヒガシナメクジウオと分かった。英虞湾での生息の記録はなく、捕らえたのは初めてという。
ナメクジウオは、脊椎動物と無脊椎動物の中間に分類される原索動物。透明性の高い砂底に生息するが、ヘドロの堆積(たいせき)などで激減した。市は「英虞湾に豊かな生物多様性が残されている可能性が示された。里海(さとうみ)として保全に努めたい」と話している。【林一茂】〔三重版〕12月12日朝刊