◇漁連の中止要望に対し
国土交通省が必要性の是非を再検討している霞ケ浦導水事業を巡り、橋本昌知事は2日、「霞ケ浦はいろいろ(水質浄化対策を)やっても急に悪くなっている。国として対策があるかどうかだ」と国の政策を見守る姿勢を示し、事業継続の是非に対する明言を避けた。【山崎理絵】
県内16漁協で構成する県内水面漁連(鈴木清次代表理事会長)から事業中止を国に対して働きかけるよう要望された場で答えた。
要望書提出には、鈴木会長のほか、那珂川取水口建設工事差し止め訴訟原告団の那珂川第一、那珂川、大涸沼の3漁協の組合長が同席した。
橋本知事は、前原誠司国土交通相が八ッ場(やんば)ダムの建設中止で直轄事業負担金の返還を検討していることに触れ、霞ケ浦導水事業が中止されても「財政的には問題ない」との見方を示した。そのうえで、「だんだん汚くなっているのをどうするか。(那珂川が)取水制限するレベルに来たときにどうするかも含めて考えなければ」と、中止後の代案が示されてないとして慎重姿勢を崩さなかった。漁連側の懸念については「(国に)十分伝える」と述べるにとどめた。
要望は前原国交相が導水事業を含む143のダム事業見直しを表明したことを受けたもので、漁連としての県などへの申し入れは初めて。要望書は、アユの吸い込みや霞ケ浦に生息する外来魚の移入などの問題点を挙げ「那珂川の水産資源をはじめとする生態系は計り知れない打撃を受ける」として中止を求めている。10月3日朝刊