滋賀県総合教育センター(野洲市)は、近年問題になっている琵琶湖底の低酸素化の仕組みを学ぶ教材を開発した。富栄養化した湖底のモデルを瓶内に作り、酸素がなくなる様子を再現した。センターは「実験を通じ自らができる低酸素化対策を考え、琵琶湖のために生活の工夫を考えてほしい」としている。
湖底の低酸素化は、富栄養化で酸素が消費された深水層が、太陽熱で暖められた表水層に酸素供給を遮られて起こる。
本来、冬場に冷たい表層水が下層に潜り、深層水が上昇して対流を作る「全循環」で酸素が湖底に供給されるが、地球温暖化の影響で全循環が起こりにくくなったとされる。
教材は、子どもたちに身近な琵琶湖の環境問題を考えてもらおうと開発した。富栄養化が進む湖底と全循環の2つの再現モデルをつくり、低酸素化が分かりやすく工夫した。
富栄養化モデルは、琵琶湖の底泥と水を瓶にすき間なく詰め、暗室に放置する。暗く、酸素を補充できない湖底と条件は同じになるという。
実験では7〜10日間で土が茶褐色から黒色に変化することが分かる。湖水だけでなく、酸化物として存在する酸素も微生物の活動で消費され、金属がイオンになるのが原因で、瓶内の水の無酸素状態は試薬で確認できる。
全循環モデルは、違う色の水を混ぜる。温水に冷水を加えると二層になるが、同じ温度の水が混ざり合うのを視覚で分かる仕掛けにした。
開発したセンターの宮嶋克幸研修指導主事は「湖底泥は水田泥で代用できる。試薬がない場合は実験後の泥の腐敗臭をかぐだけでも湖底環境の悪化がわかる。琵琶湖の低酸素化に興味を持って、実験から自分なりの発見をしてほしい」と話す。