◇研究チームが論文掲載 駆除の必要性を証明
県伊豆沼・内沼環境保全財団と宮城大食産業学部農村生態工学研究室の研究チームは、特定外来生物に指定される肉食魚オオクチバスの貪欲(どんよく)な捕食性を県北部のため池で実証し、「伊豆沼・内沼研究報告第3号」に論文を掲載した。水槽実験ではなく、野外環境でオオクチバスの旺盛な食欲を証明したのは初めてという。
ため池はバスが生息せず、水生生物の楽園だったが、昨年8月末に堤が崩落し、水路からバスが侵入した。
論文は、ため池には約9000匹の水生生物が生息していると推定。82匹のバスを完全駆除するまでの13日間で▽タナゴ1687匹▽トウヨシノボリ400匹など計3072匹が捕食されたことを報告する内容。バスの胃を開いて餌になった魚の数を算出した。
1匹のバスが毎日、約3匹の水生生物を捕食し、13日間で総数の3分の1をのみ込んだ計算になる。侵入したバスはいずれも1歳魚で体長14センチほど。それでもすさまじい食欲が証明された。
研究チームは昨年4月からこのため池でタナゴなどの生息状況観察を続けていた。遊泳していたタナゴの群れが、バスに追い掛けられ必死に逃げまどうのを目撃したという。
藤本泰文同財団研究員(34)=水産学博士=は「水生生物全体の1%に満たない数のバスでも侵入すればとどまることを知らない捕食性を示し、水生生物がたちまち減ると分かった」と説明。バス駆除の必要性がさらに証明されたと話す。研究報告は一部500円(送料別)。連絡は同財団(0228・33・2216)。【小原博人】 6月12日朝刊