2009年03月02日

タイワンザル 雑種ザル騒動の“張本人”

 ニホンザル(以下、サル)のそっくりさんがいる。紀伊半島のサルとの雑種ザル騒動で注目された、近縁のタイワンザルである。

 情けないことだが、埼玉県の秩父地方にすむ野生ザルの行動を追い、生態を観察し続けてきたにもかかわらず、タイワンザルと対峙(たいじ)したとき、違いがひらめかなかった。体サイズに差がなく、姿や格好もよく似ていて特徴がつかみにくい。無理に挙げるなら、タイワンザルの顔は毛深く、皮膚が露出している部分が狭く、怖い顔つき。かわいさではサルだが、野性味はタイワンザルが一枚も上だ。

 両種の違いの決め手はしっぽの長さ。サルはせいぜい10センチ。座ると隠れてしまい、サル類のすまない国の人には「ジャパニーズエイプ(尾なしザル)」とも呼ばれる。タイワンザルは40センチもあり、しなやかな尾の端をくるりと丸めて堂々と歩く。かつて大陸と地続きの時代に同じ祖先型ザルから分散し、それぞれ隔離されていったと思われるが、しっぽが長い分だけ樹林生活に適応してきたのだろう。木の上でのバランス感覚がとても巧みだ。

 サルは青森県の下北半島から鹿児島県の屋久島まで生息している。この間、紀伊半島から中部地方までは連続している。困ったことに、両種は隔離の壁がはずされれば簡単に雑種ができる。その子供にも生殖能力が備わっており、世代を重ねるうちに、もはや両種の区別はできなくなる。

 日本固有種のサルを守るため、外来ザルの駆除が実施されている。青森県の群れは平成16年までに駆除された。和歌山県や千葉県(アカゲザル)は、外来ザルの対策の先進県として、より良い結果が期待されている。(動物ライター・写真家 鈴木欣司)

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 ■タイワンザル 特定外来生物/原産地・台湾 オナガザル科

+Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2009年03月02日 13:03 in 外来生物問題

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