環境省が2年前から外来魚の駆除に取り組んでいる滋賀県湖北町の内湖・野田沼で、県内では絶滅の危機にあるイチモンジタナゴがこのほど見つかった。ほかのタナゴ類の増加も確認されており、外来魚駆除が在来魚の回復に高い効果があることが裏付けられた。
イチモンジタナゴは昨年11月、魚類調査のために仕掛けた定置網で3匹が捕獲された。同省近畿地方環境事務所は2005年秋から四季ごとに計13回の魚類調査をしてきたが、イチモンジタナゴが見つかったのは初めて。
イチモンジタナゴは20年ほど前までは琵琶湖や周辺河川で見られたが、産卵に必要な2枚貝が環境悪化で減ったことや、外来魚の食害で生息数が激減。現在は県内で数カ所しか確認されておらず、県の指定希少野生動植物種として捕獲が禁止されている。
同事務所は外来魚防除のマニュアルを作るため06年度から野田沼でオオクチバス、ブルーギルの駆除に取り組んできた。これまで網による捕獲や産卵床の破壊を続けた結果、外来魚は年々減る一方、カネヒラやヤリタナゴなどのタナゴ類のほかオイカワ、ヌマムツなど在来魚の増加が確認された。
マニュアル作成の検討会座長を務める細谷和海近畿大教授(魚類学)は「琵琶湖ではほとんど捕れなくなっていたので驚いた。周辺の水域から沼に入り込んできたのだろう。外来魚を駆除すれば、その成果は予想以上に早く出ることが分かった」と話している。