2009年02月19日

戦後期の65%まで回復 開発で激減した琵琶湖のヨシ帯

 琵琶湖の開発で激減したヨシ帯の面積が、植栽や保全事業でヨシ利用が盛んだった戦後期の65%にまで回復したことが、県の調べで分かった。ただ、多様な生態系の復活や、在来魚の繁殖効果などで課題も指摘されている。県は学識者らの意見も踏まえ、自然保護や景観、漁場育成などの観点からバランスの取れた保全事業を目指す。 

 県によると、ヨシ帯は戦後の1953(昭和28)年に260ヘクタールあったが、湖岸堤の整備や埋め立てによる開発で激減。92年には半分の127ヘクタールに減った。92年のヨシ群落保全条例施行後、県は毎年ヨシ帯の造成事業を実施。2007年に撮影された航空写真を基にヨシ帯の面積を調べた結果、169ヘクタールまで回復した。
 前回調査した97年から40ヘクタール増えており、うち23ヘクタールは造成で、17ヘクタールは自然に繁殖したとみられる。
 県は10日開かれたヨシ群落保全審議会で調査結果を報告したところ、委員の学識経験者らからヨシ帯造成の方法について疑問の声も上がった。
 委員らはヨシの植栽で既存の生態系の一部が失われたり、ヤナギの繁茂が進むケースを指摘。造成場所によっては在来魚の産卵場所としての機能を疑問視する意見もあった。
 県のヨシ帯造成事業は自然環境保全課と水産課、河港課が担当する。それぞれ自然保護や漁業振興、景観保全など主な目的が異なっているため、それに合わせて造成方法も異なる。湖岸景観の改善には有効でも魚の繁殖には効果が薄いなど、互いの目的が両立しない場合もあるという。
 県は「審議会の意見を生かし、今後の事業に役立てる」としている。(林勝)

+Yahoo!ニュース-滋賀-中日新聞

Posted by jun at 2009年02月19日 12:42 in 自然環境関連

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