紀伊水道の水深500メートルの深海で、元高校教諭で魚類に詳しい池田博美さん(63)=田辺市あけぼの=が全国で3例目(計4匹)の確認となるヌタウナギの仲間「オキナホソヌタウナギ」を捕獲した。
今回釣り上げられたのは卵を持った雌の成魚。全長46・6センチ、重さ71グラム、最も太いところは直径2・1センチある。この種の最大級。昨年12月、イカの切り身を餌に深海魚調査をしていて捕獲した。これまで相模湾からしか確認されておらず、非常に珍しい。
オキナホソヌタウナギは、あごがなく、太古の特徴を色濃く残した下等な脊椎(せきつい)動物。夜行性で日中は砂泥の中に潜んでいるが、夜に泳ぎだして死んだ魚や弱った魚を食べる。紀伊水道の普通種で近縁にあたるホソヌタウナギとは、歯の形状が異なる。
今回捕れたオキナホソヌタウナギは現在、京都大学総合博物館へ送り、DNA鑑定の記録を残すための作業をしている。
池田さんは「紀伊水道や紀伊半島沖合には未知の魚類が多い。今後、さらに深い1600メートル付近でも調査したい」と話している。