2009年01月19日

アライグマ:国宝や農作物被害深刻 捕獲・安楽死の態勢整備、県が対策本格化/奈良

 ◇「殺生は…」古都の特殊事情「放っておけない」
 アライグマが国宝の文化財や農作物を傷つける被害が続出している問題で、県は被害対策を本格化させる。年度内にも外来生物法に基づく防除計画を策定。市町村と連携した捕獲・安楽死の態勢を整える。ペットから野生化したアライグマに罪はないが、文化財を多数抱える古都の特殊事情も絡み、放っておけなくなった。【中村敦茂】

 県によると、県内での捕獲数は、初めて確認された03年度の2匹から、昨年度は五條市や葛城市を中心に136匹に急増。数年前から出始めた農作物被害は07年度3・9ヘクタールとなっている。
 県内には、国宝建築の3割など、貴重な文化財が集中。文化財の被害は08年に表面化し、県教委の11月の調査では、世界遺産の東大寺(奈良市)で二月堂(国宝)の柱に多数のつめ跡を確認。当麻寺(葛城市)でも数年前に中之坊書院(重文)で屋根の一部が破損されたと報告があった。被害はなかったが、橿原神宮(橿原市)や石上神宮(天理市)でも屋根裏などに入ったアライグマの捕獲例があったという。
 外来生物法では、アライグマなどの特定外来生物は運搬が禁止され、捕まえても運べない。このため有害鳥獣として捕獲した場合もその場で駆除するしかなく、殺生を嫌う寺院などでは対応が難しかった。県は、防除計画を立てて環境省の確認を受けることで運搬規制を解除。市町村が捕獲したアライグマを施設へ移し、麻酔などで安楽死させることができるようにするという。
 アライグマは北米原産。70年代にテレビアニメの影響や可愛さからペットとして人気になったが、飼育が困難で捨てられたり逃亡して野生化したとされる。県自然環境課は「増え続ければ生態系や人への病気感染まで被害が拡大する恐れもある」と対策の必要性を説明。「元々人間に責任がある。安易に輸入したり、捨てたりしないでほしい」と訴えている。1月17日朝刊

+Yahoo!ニュース-奈良-毎日新聞

Posted by jun at 2009年01月19日 13:17 in 外来生物問題

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