国土交通省が進める霞ケ浦導水事業は漁業権を侵害するとして、那珂川流域の茨城・栃木両県の流域7漁協が同川取水口(水戸市渡里町)の建設工事中止を求めた仮処分の申し立ては、次回9月の審尋までに漁協側、国交省側双方の主張を終える見通しとなった。
水戸地裁で行われた第3回審尋では、漁獲量への悪影響を懸念する漁協側の主張に対し、国交省側が「影響は極めて少ない」と指摘。一方で漁協側は、国交省が生態系への影響評価を取水口建設後に実施する見通しであることに触れ、「計画性がなく、被害防止の保障にならない」と批判した。
審尋終了後、水戸市内で開かれた漁協側の報告集会では、漁協が独自に設立した生態系影響評価委員会の川崎健委員長=東北大名誉教授=が出席。「(約30年前に計画された)事業の目的は破綻(はたん)した。膨大な国費を消費して事業を行う意味は失われた」などと述べた。【八田浩輔】 7月18日朝刊