京都府内で深刻な農作物被害をもたらしている国の特定外来生物に対し、自治体の防除対策が遅れている。特定外来生物の駆除には法に基づく「防除実施計画」が必要で、各自治体の計画策定が生息域の拡大に追いついていないためだ。府は独自の対策マニュアルを策定し、各市町村に計画策定を促している。
2005年6月に施行された特定外来生物法は、外来生物の生息域を広げないために飼育や保管、運搬を規制している。駆除に際しても捕獲する対象生物や捕獲者、捕獲方法などを定めた計画の策定を義務づけている。
ところが府内では、これまでに長岡京市と京都市、亀岡市の3市だけがアライグマの防除に関する計画を策定している。
計画のない自治体では、特定外来生物を鳥獣保護法に基づく狩猟免許で捕獲するしかなく、府の防除実施計画に基づき処分する府動物愛護管理センター(京都市西京区)まで運搬している。
しかし、捕獲者が狩猟免許を持つ人に限られていることもあって、府内では近年、京阪神から分布域を広げたアライグマ(北米原産)やヌートリア(南米原産)が急増し、農作物の被害も広がった。
こうした事態を受け、府は「生息数を抑えるには、捕獲者を増やす必要がある」として、各市町村に防除実施計画を策定し、専門家の講習を受ければ狩猟免許がなくても駆除できるようするよう求めている。
府の対策マニュアルには府内に生息する特定外来生物の特徴や捕獲方法、計画に必要な項目も挙げている。
府自然環境保全課は「外来生物の防除は後手後手に回っている。削減目標を立てて、近隣自治体が連携して取り組まなければならない」としている。