2007年07月11日

尾瀬:環境団体、放流停止を県に要望 檜枝岐村漁協「漁業権守るため」/福島

 尾瀬地域での地元漁協による魚放流を巡り、環境団体「尾瀬を守る会」(中根一郎代表)は9日、生態系に悪影響を与える恐れがあるとして、放流の停止を求める要望書を県に提出した。尾瀬では生態系の一層の保護が叫ばれている一方、漁業権に基づく放流は国立公園内でも違法でない。当の漁協側は「漁業権を守るためには仕方がないのだが」と戸惑っている。

 守る会は、県自然保護協会(星一彰会長)などで構成し、この日の要望書は、尾瀬保護財団副理事長でもある佐藤雄平知事あてに提出した。
 尾瀬周辺では、群馬県沼田市の利根漁協が今年5月、尾瀬ケ原でヤマメ約1万匹を放流。また今月には同漁協と檜枝岐村漁協が合同で、尾瀬沼と沼尻川にイワナ6000匹、ヤマメ3000匹を放流する計画を進めている。漁業法は、湖沼など内水面の漁業権をもつ漁業者に、水産資源の増殖を義務づけている。
 要望書は放流について「自然科学的検討も加えられないまま、行政によって指示されていたことは問題」と指摘し、「尾瀬の水生生物の生態系に変異を発現する恐れは十分にある」として放流停止を求めている。
 尾瀬ケ原や沼尻川は日光国立公園内にあり、自然公園法の特別保護地区に指定されている。同地区で環境相の許可なく動植物を放出することは、同法で禁じられているが、漁業権に基づく場合は許可が免除される。環境省国立公園課は「自然公園法は景観を守ることが主で、生態系を守ることも大切だが、現状では放流は認めざるを得ない」としている。
 檜枝岐村漁協は漁業権維持のため放流を続ける一方、漁そのものは周囲の目が厳しく、ほとんど自粛しているという。星副夫組合長は「これまで守ってきた漁業権なので簡単に手放すことはできない。放流しなくても権利が守れるならいいが……」と当惑している。【松本惇】 7月10日朝刊

+Yahoo!ニュース-福島-毎日新聞

Posted by jun at 2007年07月11日 10:05 in 自然環境関連, 内水面行政関連

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