2007年01月16日

外来カタツムリ繁殖 農作物の食害懸念(和歌山)

 地中海原産の外来カタツムリ「オオクビキレガイ」が、田辺市内の梅畑や野菜畑で大量発生している。他県では農作物への被害も報告されており、貝類研究者である、九州大学総合研究博物館(福岡市)の松隈明彦教授が田辺市での調査に乗り出した。いまのところ局地的な発生に留まっており、広がる経路などが特定しやすいとして分布拡大の仕組み解明を目指す。松隈教授は「梅などへの食害も心配され、早急な調査が望まれる」と農家に情報提供を呼び掛けている。

 松隈教授によると、日本国内で同貝が確認されているのは、福岡、佐賀、山口、和歌山の4県。1988年に北九州市で初めて見つかり分布を広げている。和歌山県では、2001年に、京都大学瀬戸臨海実験所(白浜町)の久保田信助教授が、白浜町番所崎の通称「北浜」で成貝前の殻を拾った。貝類に詳しい同町の湊宏さんがオオクビキレガイであることを突き止めた。その後、04年に田辺市下三栖の梅畑で生息が確認された。
 北九州市では当初、不快な生物程度に思われていたが、野菜の苗への食害が確認され、調査研究が行われるようになった。世界では北米や南米などにも生息域を広げているが、日本への移入経路は分かっていない。
 殻長3センチ前後、茶色の細長い巻き貝。夜行性で、昼間は落ち葉や石の下に潜っている。雑食性で野菜の苗だけでなく、紙や別種のカタツムリなども食べる。地面をはい回り、木には登らないが、梅畑では、収穫用ネットに落ちたウメの実を食べるという。
 同市下三栖で20年以上前からウメを栽培しているという男性は「ここ5年ほどで見るようになった。2年ほど前からは手ですくい集められるほどになった」と話す。近くの野菜畑でも、ハクサイやキャベツの葉を食べられる被害が出ている。
 松隈教授は「オオクビキレガイは今後、外来生物法の特定外来生物に指定される可能性もある。指定されると飼育や保管などが原則禁止され、駆除の対象になる。貝の移動速度はとても遅いので、野菜やその苗などを移動する時に土などに交ざり広まったのだろう」と分析している。
 JA紀南指導部によると、貝の被害情報は寄せられていないという。
 この貝についての情報提供は九州大学総合研究博物館の松隈明彦教授(電話092・642・4296、ファクス092・642・4299、郵便番号812―8581 福岡市東区箱崎6の10の1)へ。

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Posted by jun at 2007年01月16日 14:53 in 自然環境関連

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