2005年01月07日

「The Interviewave」 清水盛三インタビュー パート3

清水盛三インタビュー パート3
Morizo Shimizu Interview Part3

 第1回、そして第2回は昨シーズンに関して語っていただいた。最終回となる「The Interviewave 清水盛三インタビュー Part 3」では、いよいよ1月に開幕する2005年シーズンBASS CITGOバスマスターツアーとWal-Mart FLWツアーについての抱負を語っていただこう。

basswave:さて、1月からスタートする2005年シリーズについてお伺いします。BASSルールではノーインフォメーション・ルールの採用によって、情報交換が禁止されています。つまり、このインタビュー自体が他のアングラーに対する情報提供となってしまう可能性がありますので、具体的なフィールドの話はできないと思いますが、支障のない範囲でお願いします。
清水:とりあえず、最初にフロリダの湖で行った(釣った)ことのない場所がある。まずはフロリダだけじゃなくて、経験していないフィールドをプリプラクティスで見て回る予定。BASSはルールで試合の30日前はプラができないから、その前に見ておかんとね。

basswave:清水さんの第1戦めはWal-Mart FLWツアーのレイク・オキチョビー戦になりますが、オキチョビーは過去に数回大会で出場されていますし、だいぶ理解できてる感じですか?
清水:あぁ、オキチョビーは全然アカンアカン。オキチョビーに限らず「フロリダなんて、地盤沈下で沈没してまえ!」って思うくらい、嫌いなフィールドやねん(笑)。

basswave:それはまた極端ですね。フロリダといえばアメリカでも有名フィールドの多い州ですが、どうしてそこまで苦手意識を持ってらっしゃるのですか?
清水:理由は簡単。フロリダは地理的に高低差がないから、湖にも水深の差があまりない。つまり、湖沼図でバスを捜せへんから。

basswave:地形変化を読んで攻略するパターンフィッシングが成立しにくい、ということですね。
清水:ベジテーションだらけで、見た感じではどこでも釣れそう。でも、そうじゃない。そうなるともう、しらみつぶしに捜すしかないねん。それには時間がスゴい必要になるけど、僕はそれにも限りがあるから。ホンマに大ッ嫌いや(笑)。

basswave:清水さんの記録を見てみると、FLWツアーでは初年度のオキチョビー戦で39位、昨年は194位でした。BASSでは2003年度のバスマスターツアーで使用されましたが、そのときは167位でしたから、来季はこれまでのリベンジを果たしたいですね。
清水:目標があるんやけど……一応、最下位に近い成績は残さないこと(爆笑)。5尾を2日間持ってこられたら、いい順位は残せると思うよ。去年は(パターンが)見えてたから、今度のプラクティスはその復習から入るつもり。天候の急変で見失った去年の例もあるし、ビッグフィッシュが釣れてトップ10に入れるかどうかは、時の運やと思ってる。実力って言えたら格好エエけど、フロリダに関してはまだ言えない(苦笑)。

basswave:先ほど「フロリダで釣ったことのないレイク」とおっしゃっていましたが、それはBASS CITGOバスマスターツアー第1戦のレイク・トホ(トホペカリガ)のことですか?
清水:そう、トホ。一度だけ30分くらいボートを浮かべたことはあるんやけど。新艇が届いてたから、その慣らしで走っただけで、釣りはしなかった。だから、ここはプリフィッシュで入りたい湖のひとつ。あとは、“町のプラクティス”もしないといけないから。

basswave:モーテルとかレイクアップを販売しているストアとかを見て回るということですか?
清水:前に1回でも釣ったことのある湖なら、比較的簡単に釣りのプラクティスに入れるけど、はじめての場所は全部チェックしないとね。モーテルは僕の中で基準があって、60ドル以上やと高い。湖の周りに60ドルのモーテルしかなかったら隣町まで行って捜すけど、それでも湖まで20分が限度かな。中には40分とか1時間くらい離れた場所に泊まる選手もおるよ。

basswave:それは大変ですね。小さな町だとモーテルの数も少ないので仕方がない場合もあるでしょうけど。
清水:トホに関しては今、まったく情報がない感じなんで、とりあえず現地に入ってプリフィッシングで状況をつかみたい。しかも、バスマスターツアー第1戦のレイク・トホ大会が終わると、今度はFLWツアー第2戦の開催地がまたトホ。だから、バスマスターツアーがFLWツアーのプラクティスにもなる感じ。 2年前に同じようなスケジュールがあって、そのときはオキチョビー戦だったんやけどね。そのときは後のほうで出た大会で賞金圏内(39位に入賞し、賞金3000ドルを獲得)だったし、確実にプラクティスになってたね。

basswave:バスマスターツアーの第2戦は、これもフロリダ州のハリスチェーンです。2003年シーズンから数えて、3回めの挑戦になります。
清水:ハリスチェーンはね〜、1月からシーズンがはじまるけど、バスフィッシングのハイシーズンにはちょっと時期が早い。確かにプリスポーンのビッグウエイトをねらったスケジュールなのはわかるけど、プリスポーンどころかまだ冬のパターンのレイクもたくさんあるからね。いままでの試合を振り返ると、その代表例がハリスチェーンだった気がする。2回ハリスを経験してるけど、次も上位をねらうのは無理だと思ってるから。とにかくレイクが狭いし、いい場所はバッティングばっかり。それもスーパースター級な選手とバッティングする。2日め以降は当然プレッシャーがかかりやすい。キャナルで小さいレイクがいくつか繋がってるけど、レイク全部が小さいからやっぱりプレッシャーがかかってる。競技としてはかなり難しい湖やね。

basswave:清水さんの感覚で、小さい湖とはどれくらいを指しますか?
清水:今はもう、(琵琶湖の)南湖でも小さく感じるようになった。河口湖は「野池」という感覚……ちょっと言い過ぎか(笑)。

basswave:そのあとは、やっとフロリダ州から離れてアラバマ州に移ります。バスマスターツアー第3戦レイク・ガンターズビル戦です。
清水:ここは、ホントに楽しみにしてる。印象としては、(琵琶湖の)南湖みたいな感じ。ウイードがいっぱいあって、ビッグフィッシュも前に釣ってるし、単純に楽しいレイクやね。

basswave:3月に入ると、バスマスターツアー第4戦でJ.ストロム・サーモンド・リザーバーという聞いたこともないレイクで大会が開催されます。
清水:僕もまったく聞いたことがない。これはもう行って見てくるしかない。ただ時間的に全部の湖を見て回るのは無理。リザーバーやから、湖沼図を買ってある程度判断しようかな、と思ってる。不安やけど、逆に面白そうやと思ってるんよ。ほとんどの選手が初めて釣る湖やと思うから、日本人の僕でも現地の連中と同じ状況で勝負できるわけやし。FLWの第3戦でワチータリバーに行くんやけど、ここはプリフィッシュしたいと考えてる。なんかややこしそう。それでも時間的な問題でどこまでできるか難しいけど。

basswave:バスマスターツアー第5戦がレイク・ノーマンで、バスマスターツアー第6戦がテーブルロック・レイクです。
清水:ノーマンもまったく予備知識なし(爆笑)。ここも湖沼図見て釣るしかない。でもテーブルロックはスゴく楽しみにしてて、早く行きたい。

basswave:テーブルロック・レイクは2005年シーズンに開催される大会の中ではもっとも複雑な地形のリザーバーですよね。
清水:だから面白いでしょ。「どこに行こうかなぁ〜」と考えるのがなにより楽しいからね。あと、典型的なマウンテンリザーバーで、岩盤とか岬とか日本のリザーバーに近い気もするし。フロリダの湖とは逆で、こういう場所はパターンも成立しやすいから、僕にとっては比較的釣りやすい。昨シーズンは試合前に腰を痛めて、全然プラクティスができなかった。でも直前になんとか見えて、「よかった〜」と思ったら、雨が降ってしまって。僕のエリアはメチャメチャ濁ってダメでしたけど(135位でフィニッシュ)。

basswave:もう腰の具合は大丈夫なんですか? Basser Allstar Classicでは右手親指も痛めましたよね。
清水:うん、今は腰より指が痛い。両方痛い。膝も痛いから、3カ所負傷中(笑)。バスフィッシングは激しいスポーツなんよね。アメリカ人と対等に闘うには、なにより体力が一番必要。試合会場で朝、眠たそうな顔してるアメリカ人はいないから。

basswave:いくらなんでも、「いない」というのはないでしょう。
清水:いやホント。「眠た〜」とあくびしてるのは、日本人くらいですよ、僕を含めて(笑)。アメリカ人は朝から元気。だから、日本に帰ってきてからは、腹筋とか腕立てとか、走って体力つける努力してたし。最初の3ヶ月、1月から3月はプラクティス、試合、移動の繰り返しで、寝てる暇、休まる暇がない。風邪をひいてる暇もなくて、終わりのほうになると、とにかくゆっくり寝たいことばかり考えてる。最初のころは試合がはじまって3時間くらいで「早く時間が過ぎてくれんかな」と考えてたけど、最終的には「早くシーズンが終わってくれんかな」に変わってたから(爆笑)。それくらい苦しいし、シンドい。

basswave:バスマスターツアーの全6戦が3月で終わりますので、4月以降はFLWツアーだけになります。そうすると1ヶ月に1試合ペースですので、多少余裕ができるのではないでしょうか?
清水:そうなんやけど、来シーズンはバスマスターツアーで決勝に残りたい。だから、最初の3ヶ月間が勝負の時かなと考えてる。昨シーズンの4月以降は成績がよかったので(FLWツアー第5戦8位、第6戦33位)、ペースが落ち着けば結果はついてくるとは思うけど。4月のビーバー・レイク、5月のウィーラー・レイクは以前に釣ったことがあるから、まぁよしとして、最終戦のポトマック・リバーは未知の領域やから。ここは落としたくないね。それまで調子がよくても、最終戦でコケたら意味がないんで。僕もチャンピオンシップに出てみたいし、優勝もしてみたいし。結局最後まで気が抜けない感じ。

basswave:4月以降は1試合ペースになりますので、試合から試合まで多少時間が空きます。その間は日本に戻ってくる予定ですか?
清水:その予定。でも、日本に帰ってきて日本の仕事をしてても、試合のことが頭から離れないと思うけど。メンタル的にも、フィジカル的にも休まないと、僕の場合は持たないから。さっきも言ったけど、今年はバスマスターツアーでいい結果を残したいから、3月が終わると抜け殻みたいになってると思うわ(笑)。

basswave:決勝に残るのはどちらのツアーにしても容易なことではありません。
清水:いままでは年間成績すら気にしてなかった。とにかくトップ10入りが目標だったから。高すぎる目標より、まず自分にできるレベルで。でも、常にトップ10を意識していれば、年間成績も自然とついてくると思うしね。

basswave:お忙しいところありがとうございました。最後にファンへのメッセージをお願いします。
清水:今年こそ「頑張ってるな、アイツ」と言われる結果を残しますので、見守ってください。



<=清水盛三 2005年シーズン・トーナメント出場予定大会=>

1月
FLWツアー第1戦 フロリダ州レイク・オキチョビー 1月19-22日
BASS バスマスターツアー第1戦 フロリダ州レイク・トホ 1月27-30日

2月
BASSバスマスターツアー第2戦 フロリダ州ハリスチェーン・オブ・レイクス 2月3-6日
FLWツアー第2戦 フロリダ州レイク・トホ 2月9-12日
BASS バスマスターツアー第3戦 アラバマ州レイク・ガンターズビル 2月24-27日

3月
BASS バスマスターツアー第4戦 ジョージア州J.ストロム・サーモンド・リザーバー 3月3-6日
FLWツアー第3戦 ルイジアナ州ワチータリバー 3月9-12日
BASS バスマスターツアー第5戦 サウスキャロライナ州レイク・ノーマ 3月17-20日
BASS バスマスターツアー第6戦 ミズーリ州テーブルロック・レイク 3月31-3日

4月
FLWツアー第4戦 アーカンソー州ビーバーレイク 4月13-16日

5月
FLWツアー第5戦 アラバマ州ウィーラーレイク 5月11-14日

6月
FLWツアー第6戦 バージニア州ポトマックリバー 6月22-25日

+「The Interviewave」を清水盛三インタビュー パート1
+「Interviewave」 清水盛三インタビュー パート2

清水盛三公式ウェブサイト「MORIZO WEB」

Posted by DODGE at 2005年01月07日 16:42 in Interviewave

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