立命館大理工学部(草津市)の研究チームと守山市の紙器製造会社がこのほど、琵琶湖のブルーギルを原料にした農作物の成長促進剤を開発した。産学連携で開発した促進剤は、これまでの実験でコマツナの成長を4割アップさせる成果をあげており、琵琶湖で嫌われ者のブルーギルを農業に有効活用するため、同社は今夏以降にも実用化を目指している。
開発したのは、同大学理工学部の久保幹教授(生物工学)の研究チームと守山市大門町の紙器製造会社「山本紙工」(山本篤穂社長)。山本社長は琵琶湖のヨシを使った紙粘土などを考案、バイオ産業に興味を持ち、昨年7月、「外来魚を有効利用した新しい資源を開発したい」と同大学に相談。微生物を使った植物の成長促進剤を研究していた久保教授が応じ、山本社長が研究資金を提供した。
久保教授らは研究の過程で、ブルーギルに寄生する新種の微生物「BGM」を発見。この微生物がブルーギルのタンパク質を短時間で分解し、促進剤となるアミノ酸やその集合体「ペプチド結合」を簡単に取り出せることを突きとめた。
抽出された促進剤をコマツナの栽培に用いたところ、肥料だけで育てたコマツナに比べ重さが20−40%増え、色つやも鮮やかになった。外来魚10グラムで100リットルの促進剤を生成でき、1平方メートルの農地に5−10ミリリットルを1回投入するだけで効果があるという。
久保教授は「肥料の吸収力を高めることもでき、土壌の改善にも貢献できる」と話している。山本社長は「実用化に向けた準備を進めたい」と話し、今夏にも促進剤の生成プラントを守山市内に建設するという。(京都新聞)