2002/12/2
テキサス・トーナメント・トレイル

 
FLW Outdoorsは、FLWツアーをはじめ、エバースタート・シリーズやBFLなど、数種のトーナメント・トレイルを運営している。FLWツアーはB.A.S.S.でいうバスマスター・ツアーであり、エバースタートはB.A.S.S.のオープン戦にあたる。BFLはフェデレーションのようなもので、ウィークエンド・アングラーが気軽に参戦できるトレイルだ。日本でいうNBCチャプターのような存在だろう。
 だが、FLW Outdoorsはこれら以外にも2つのトレイルを運営している。1つめがRCL。これはウォールアイを対象にしたトーナメント・トレイルだ。もう1つがテキサス・トーナメント・トレイル(以下:TTT)。TTTはテキサスを中心に年間4戦とチャンピオンシップを開催するバスフィッシング・トレイルだ。同トレイルは2001年からスタートしたまだ息の浅いもので、来シーズンで3年めとなる。
 この他にはM-1というレンジャー・ボートのオーナーのみが参戦できる大会も運営している。
 
 さて、そのテキサス州を中心に開催されるTTTが高く評価されている理由から、同トレイルの全貌を解説してみよう。
 まずTTTは、ビッグバスが大量生産されるテキサス州を中心に開催されていることだ。チャンピオンシップを含む全5戦の内、テキサス州内で開催される大会が4戦。残りの1戦はルイジアナ州で開催される(開催湖については後述する)。やはり、バス釣り人口が極めて密集するアメリカ南部、それもテキサス州で開催することは、他州在住のアングラーにとっても大会会場までのアクセスはいいのだろう。
 その他、ウィークエンド・アングラーが参戦しやすいワン・デーの大会形式が挙げられる(基本的には土曜日の開催。ツー・デーの大会は土日に開催される)。
 また、賞金額が魅力的でもある。350ドルのエントリーフィーで、(不確定賞金)も入れれば、1位の選手には6万5000ドルが授与される。
 
 TTTの賞金について詳しく説明しよう。エントリーフィーが350ドル。120円換算で4万2000円だ。
 優勝賞金は3つに分けて贈られる。1つめは現金1万ドル。2つめはレンジャー519VS。3つめはレンジャーボートのオーナーであれば、エクストラで2万ドルが贈られる。これらすべてを現金換算すれば6万5000ドルになるという仕組。120円換算で780万円。ワン・デーの大会で、これほど高額な賞金がでるトレイルは他に存在しない。
 2位の賞金にしても8000ドル(レンジャーボート・オーナーであれば、6000ドルがプラスされる)、3位が6000ドル(レンジャーボート・オーナーであれば、4000ドルがプラスされる)という破格の賞金額を誇っている。また賞金は20位までのペイバックされ、20位でも800ドルを獲得できる(レンジャーボート・オーナーであれば、1000ドルがプラスされる)。
 
 この賞金額だけで驚くのはまだ早い。上記はプロ部門で参戦したときの賞金額である。では、アマチュア部門の賞金額を見てみよう。
 エントリーフィーがなんと100ドル!優勝賞金は、現金4000ドルとレンジャーボート・オーナーであれば、レンジャー195が贈られる。主催者側の発表によると、3万4000ドルに相当するという。2位の選手は賞金が3000ドルで、レンジャーボート・オーナーであれば1650ドルがプラスされるのだ!
 (ただし、レンジャーボート・オーナーの資格は、新艇をレンジャー・ディーラーから購入したという証明書があるアングラーのみに与えられる。たとえば、自分のボートが壊れて修理中である場合、レンジャーで購入したという証明書 or 領収書あえばよいそうだ。しかし、その場合でも誰かのレンジャーを借りて参戦しなくてはならない)。
 
 では、2003年度シーズンの開催湖を見てみよう。第1戦:テキサス州レイク・アミスタッド、第2戦:テキサス州サム・レイバン、第3戦:テキサス州:レイク・ルイスビル、第4戦:ルイジアナ州トレド・ベンド、チャンピオンシップ:レイク・レイ・ハバード(これらのスケジュールは、当サイト「イベント・カレンダー」でも見られる)。
 この中で注目したいのは、第1戦のレイク・アミスタッドで、このレイクはテキサス州とメキシコの国境に位置しているため、参戦選手はすべて「メキシコのフィッシング・ライセンスが必要」という異例なフォーマットで開催される。
 チャンピオンシップにはトレイル全4戦のポイント・スタンディングから上位50名が出場する。同大会にはもちろんエントリーフィーがかからない。
 2002年度シーズン50位のダレル・ニューマンは、全4戦中3戦しか出場していない。49位のデビッド・メイは、全4戦の平均順位が78位である。彼らがそれでもトップ50位に入ることができた理由には、スポット参戦する選手が多いことから、必然的に全戦に皆勤することで年間順位が上げってしまうという、他のトレイルでは考えられない事実が浮かんでくるのだった。
 
 アメリカのどの大会に参戦しようかと迷っているのなら、TTTもその選択しに入れてみてはどうだろうか?