「the rookie year」を進めようと思い至った敬意は、2003年度「the rookie year」のタイトルページに記したとおりで、「本戦で上位入賞したアングラー以外の闘いにも目を向けたかったから」であり、「ボータールーキーならではの話題とドラマが生まれるはず」と信じていたからだった。そもそもルーキーイヤーは、一生に1度しか訪れない。そんな1年生アングラーはトップアングラーから、バスから、そして自然からの洗礼を受けるわけで、受けたら受けたなりの心情がある。特にルーキー選手のそれは、いまだ汚れておらず、純粋であり、受けた仕打ちに対し真っ向勝負で向かおうとする気迫が見えて面白い。
 当サイトのW.B.S.トーナメント・レポートでも言えることだが、「誰が勝って、どのルアーで釣れて、どこで……」というオーソドックスな情報の羅列には魅力を感じない。優勝したアングラーは確かにスゴいと思うが、結果を伝えるだけが大会レポートではない。ボートが出航し、帰着するまでの天候の移り変わり。霞ヶ浦が荒れてきたときのオフィシャルスタッフの表情、ノーフィッシュで家路につくアングラーの心境、数g差で負けた選手の形相、ボートの破損、優勝プレートの輝き、ノンボーター・アングラーのサポートなど、これらすべてがW.B.S.であって、それを活字にするのも大会レポートだと思う。
 取材をしても、実際に掲載できる部分より、捨てる部分の方が多い。しかし捨ててしまうにはもったいない……いや、見過ごしてはならないドラマ、それがボータールーキーたちの闘いなのだ。
 2004年シーズンを舞台とする「the rookie year 2」では、香取潤一さんと早水彰さんを主役に迎えてお送りしたい。彼らが生みだすドラマこそ、最高のノンフィクションである。


第1回-1 第1回-2
第2回-1 第2回-2

番外編(TBC042)

第3回-1 第3回-2
Super 3 Days
第4回-1 第4回-2

第5回-1 第5回-2

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