バスフィッシングと出会って20年あまり。
すっかりオッサンになったかつての釣り好き少年が、
これまでに出会ったさまざまなことを
つれづれ〜っと書いていきます。
ご意見、ご感想、叱咤激励はこちらまでよろしくね。


TEXT by Jun Sugawara

BEAT 25  パブリックコメントを送ろう!(2005/2/3)

「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」、
いわゆる「特定外来生物被害防止法」の指定種選定について、パブリックコメントが開始となった。
フィッシングショーでは多くのブースがパブリックコメントに関する掲示を行ない、
プロからの呼びかけがあったことで、数多くの意見が送られることを期待したい。
パブリックコメントはあくまで幅広い意見の内容を検討するもので、
数そのものは考慮されないとされている。
しかし、多くの意見が集まることで社会的な注目度も高まるし、
釣魚議員連盟の先生たちにもバスアングラーの気持ちが伝わるはずだ。
行政に対して意見を言うことは敷居が高いと感じる方も多いだろうが、
これは私たち国民がもっている権利なのだ。
今回の法律はバスフィッシングを規制するものではない。
しかし、2月2日のTOP NEWSでも紹介したように、滋賀県の国松知事は
「指定が実現し、国も全面的な駆除の推進を図られることを強く期待する」とコメントしている。
このまますんなりとバスをリスト入りさせてしまえば全国各地で駆除が行なわれ、
無駄な税金が使われていくことになる可能性が高い。
また、「国が指定しているほどの悪い魚」というイメージが広がれば、
リリース禁止などの規制があっという間に全国に広がっていくことだろう。
せっかく環境省が「意見を聞きます」と言っているのだから、
ここで意見を言わない手はないし、「あの時意見を言っていれば……」と後悔したくはないものだ。
ただし、パブリックコメントを提出するためにはきちんとしたルールがある。
環境省のウェブサイトには「意見募集要項」がアップされているが、
気をつけておきたい点を挙げておこう。
●提出期間、方法を守ること
募集期間や提出方法が守られていないものは受け付けてもらえない。
郵送、FAX、電子メールで受け付けているが、FAXは受付時間が限定されているので注意。
このほか、提出用紙のサイズや記入する項目の順番などの注意事項を守り、
貴重な意見を無駄にしないようにしてほしい。
●「ラージマウスバス」、「ブラックバス」などの表記はダメ
「意見募集要項」で「標準和名で記載してください」と記されている点に注意。
つまり、「ラージマウスバス」や「スモールマウスバス」という書き方ではなく、
「オオクチバス」「コクチバス」と表記しなくてはならない。
●外来生物に対する意見を書くこと
今回は、あくまで指定種選定についての意見を募集していることを忘れずに。
たとえば環境大臣に対する誹謗や中傷などを送ってもまったく意味がない。
「オオクチバス、コクチバスの指定に反対」としたうえで、
その意見および理由を簡潔に記載しなくてはならないので注意してほしい。
「どんな意見を書いたらいいか分からない」という方も多いと思うが、
これに関しては法律の内容を理解したうえで、あくまで「自分の意見」を書こう。
とはいっても、決して難しく考える必要はない。
◆普段釣りを楽しんでいてバスが在来種と共存していると感じているなら
 在来種とオオクチバス、コクチバスは共存しているので指定する必要はない
 在来種の減少理由をオオクチバスやコクチバスだけにするのは間違いだ
 オオクチバスやコクチバスの生息数は明らかに減少している
 指定されることでイメージが悪くなり、気持ちよく釣りができなくなる
◆倫理的、教育的な悪影響を心配する人の場合は
 リリース禁止などの規制が広がり、子供たちに生物を殺すことを強制する可能性がある
 釣りに伴う親水自然学習のイメージが損なわれ、その機会が失われる
◆釣りやボート業、コンビニや観光関連の仕事をしている人であれば
 オオクチバスやコクチバスのイメージが悪化することで釣り人が減り、生活ができなくなる
 チュウゴクモクズガニ(上海ガニ)やセイヨウオオマルハナバチは社会的、
 経済的影響が考慮されたのに、オオクチバスやコクチバスに関して考慮されないのはおかしい
◆バスフィッシングにはまったく関わりがないない人の場合でも
 効果的な防除方法が確立されないまま指定されると各地で駆除が盛んになり、
 無駄な税金が投入される恐れがある
 オオクチバスの指定を先送りにした小グループ会合の結論を無視することはおかしい
……およそ、こんな意見が多く寄せられるのではないだろうか。
また、現在発売されているバスフィッシング関連雑誌には、
パブリックコメントに関する記事が多く掲載されているので参考にしてほしい。
特に月刊Basserに掲載されている東京海洋大学の水口憲哉教授のインタビューは、
意見を書くにあたって大いに参考になるはずだ。
ちなみに、水口先生の著書『魔魚狩り-ブラックバスはなぜ殺されるのか-』が、
フライの雑誌社より2月15日に発売される。
この本もパブリックコメントを送るにあたっての参考になるはずなので、
ぜひ読んでいただきたい。
パブリックコメントの締め切りは3月2日午後5時30分。
バスフィッシングの自由は獲得できるのか……今がその瀬戸際なのだ。
「バスアングラーをナメるなよ」という意思があるのなら、まずは行動しよう。

●パブリックコメントの募集要項や詳細については、下記を参照に
 環境省ウェブサイト
  http://www.env.go.jp/
 報道資料/特定外来生物等の選定に係る意見の募集(パブリックコメント)について
 http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5680
 意見募集要項
 http://www.env.go.jp/info/iken/h170302b/b-1.html
 外来生物法に関する資料など
 http://www.env.go.jp/nature/intro/3shiryou.html

●パブリックコメントを簡単に送りたいという方は、
 携帯サイト「爆釣チャンネル」が送信フォームを用意している。
 爆釣チャンネル
 http://www.bakucho.co.jp/
 パブリックコメント送信フォーム
 http://www.bakucho.co.jp/pabu/top.html

●FB's Societyのサイトでは、パブリックコメントの書き方、ポイントなどを紹介している
 FB's Society
 http://www.fbs-society.org/

●『魔魚狩り-ブラックバスはなぜ殺されるのか-』の出版元
 フライの雑誌社
 http://www.furainozasshi.com/

●他のバスアングラーと情報の共有をしたい、
 あるいはバス問題に関する正確な情報を知りたいという方のために、
  新しいネットメディアが誕生した。登録は無料なので、ぜひ多くの方の登録をお願いしたい。
 BASS FUN NET
 http://www.bfn.jp/