2019年12月04日

東京湾で500匹発見! 改めて知っておきたいヒアリの生態と恐怖

 果たして食い止められるか? 毒を持つ特定外来生物「ヒアリ」の日本侵略だ。今年9月以降、東京港で相次いで見つかり、先月25日には三重・四日市港でも発見。環境省は同29日、東京港で新たにヒアリの働きアリ5500匹以上を見つけた、と発表した。

 南米原産で、1930年代にアメリカ、今世紀に入って中国、台湾、オーストラリアなどの環太平洋沿岸諸国に定着。日本もいまやその瀬戸際にいる。

 そもそもヒアリとはどんな生態で、どれだけ恐ろしい生き物なのか。改めて知っておきたい。特定外来生物を含む110種類・100万匹以上の害虫を研究用に飼育する「アース製薬」生物研究課の有吉立さんに聞いた。

「当研究室では、アルゼンチンアリやセアカゴケグモも飼っていますが、ヒアリは飼っていません。うちだけでなく、日本中どこも飼えない状況。まだ日本に生息していない前提なので、生体を飼育するどころか、研究用に持ち込むこともできないんです」

 しかし同社は台湾に研究員を派遣し、つぶさに観察・研究してきた。台湾はヒアリの上陸を防ぎきれず、国内のあちこちで繁殖している。

「第1の特徴は“アリ塚”を作ることです。土や砂がこんもりと盛り上がって、砂遊び場の小山のよう。ところが、それと知らずに手や足を突っ込むと……ワーッ! とすごい勢いで何千匹ものヒアリが這い上って襲いかかってきます。攻撃性が非常に強いんです」(有吉立さん)

 ヒアリはハチのように尻に針があり、それで刺す。1カ所くらいなら“痛い”で終わるかもしれないが(それでも相当痛いらしい)、集団で襲われたらたまったものじゃない。場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こす危険性も。もし子供が公園などでイタズラ半分に手を入れようものなら……。

「見て分かるくらいの大きさのアリ塚になるには2〜3年かかります。もしすでに日本に入っていて、巣を作り始めていたとしても、見つけるのは大変でしょう」(有吉立さん)

 もうひとつの特徴は働きアリの大きさだ。日本のアリは、例えばトビイロシワアリなら3ミリ前後、クロヤマアリなら5ミリ前後と種類によって差はあるものの、ひとつのグループの働きアリの大きさはほとんど一緒。しかしヒアリの場合は、2・5〜6ミリとかなり差があるという。

「形が一緒なのに、サイズ感がバラバラなアリの集団がいたら怪しいですね」(有吉立さん)

 日本では悪魔のようなイメージのヒアリだが、実は南米では、それほどでもないという。

「パラポネラという最強のアリもいますし、ノミバエという天敵もいます。ヒアリの体に卵を産み付け、育った幼虫がヒアリの体を食い破ってしまうんです。しかし、日本にはそうした天敵がいない。仮に天敵を持ち込めば他の生態系に影響が出る。やはり水際で食い止めるのが最善の策です」(有吉立さん)

“蟻の穴から堤も崩れる”のことわざもある。怪しいアリを見かけたら、すぐに通報だ。

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Posted by jun at 2019年12月04日 08:51 in 外来生物問題

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