青森県内では津軽地方でのみ確認されていたアライグマの生息が、県南地方へも拡大していることが、県の調査で分かった。本年度に調査を実施した八戸、十和田両市では広範囲で生息の痕跡が認められ、近隣市町村へも着実に生息域を広げているとみられる。アライグマは繁殖力が強く、津軽地方でも農作物への食害をはじめとする各種被害を与えていることから、県は県南地方の自治体に早期の対策実施を求めている。
アライグマは外来生物法で、海外から日本に導入された外来生物のうち、生態系などに被害を及ぼす恐れのある「特定外来生物」に指定されている。県内では津軽地方を中心に農作物の食害が表面化。被害額は2013年度の421万円をピークに、17年度は168万円に上った。被害品目はスイカやメロンが多く、トウモロコシ、サクランボ、ジャガイモなどもある。
県南地方では17年10月、八戸市内で係留中の漁船から1匹が捕獲され、県はアライグマの生態に詳しい関西野生生物研究所(京都市)の川道美枝子代表へ調査を依頼。アライグマがねぐらとしやすい寺社仏閣約150カ所で、ふんや特徴的な爪痕の有無を調べたところ、およそ半数で生息の痕跡を確認した。
14日には八戸市で初の捕獲対策研修会が開かれ、県南12市町村の担当者らが出席。川道代表は調査結果を報告した上で「アライグマは食害のみならず、狂犬病などを媒介しやすいため、感染が広がれば生態系にも深刻な打撃を与えかねない」と強調。各自治体が一斉に捕獲態勢を整え、初期段階で頭数拡大を防ぐよう呼び掛けた。
積極的な取り組みで成果を上げる鯵ケ沢町の担当者は一連の対策を具体的に紹介。県自然保護課は捕獲に向けて、外来生物法に沿った防除実施計画をあらかじめ策定し、より速やかに活動できるよう促した。
出席者からは、自治体間の連携や情報共有を進めるため、県として統一した方針を示すよう求める意見も挙がった。
Posted by jun at 2018年12月18日 08:24 in 外来生物問題