東北大のベンチャーであるTBA(仙台市、犬養忠彦社長)はエビの早期死亡症候群(EMS)をはじめ、複数の魚病・寄生虫診断を同時に、簡易にできるキットを東京海洋大との共同研究で開発した。キットは年明けにもエビの養殖国インドネシアで発売を開始する予定。ローコストかつ、検査効率が高い。2013年のEMS大流行以来、検体数が急増した生産地の検査機関の負担を軽減するものとして関心を集めている。
キットは遺伝子検査により、サンプルに含まれるウイルスや寄生虫などを検出するもの。サンプルの体液や血液、肉などを試薬(STH試薬)に入れて、酵素液とともに専用器具でDNAを増幅(ポリメラーゼ連鎖反応)。クロマト展開液に入れて、TBA社が製造する試験紙「C―PAS」を浸す。サンプルに細菌やウイルスなど特定の外来生物が含まれていれば、C―PASに色付きのマーカーが現れる。TBAはこの検査キット全体の技術とC―PASを製造・販売している。
東京海洋大の廣野育生教授によると「簡易検査キットは他国からも発売されているものがあるが、同時に4種の病気を検出できることが大きな特徴。生産地では効率的な検査法のニーズが高まっている」と話す。
現在、他のエビ魚病の診断に対応するキットも開発中。東北大大学院の川瀬三雄教授は「ウイルスや寄生虫はそれぞれ特徴のある遺伝子を持っている。技術を応用すればエビだけでなく、アジア圏で多いコイやナマズなど魚類の魚病検査にも応用できる」としている。
Posted by jun at 2017年12月29日 09:19 in その他のニュース, 魚&水棲生物