兵庫県尼崎市や神戸港など全国各地で発見され、日本への侵入・定着が危ぶまれている強毒性の特定外来生物「ヒアリ」。その特徴を伝えようと、体長を約100倍に拡大した全長約60センチのリアルな模型が同県立人と自然の博物館(三田市弥生が丘6)に登場した。造形作家が手掛けた皮革製で、形や色を丁寧に再現。橋本佳明主任研究員(61)=アリ学=は「ヒアリ根絶は難しく、対策は長期戦。敵を正確に知って」と呼び掛ける。
ヒアリは南米原産で刺されると激痛があり、体質によっては急性アレルギー反応を起こす。5月下旬に国内で初めて尼崎市内で見つかって以降、神戸港や名古屋港など全国各地の港湾で確認され、侵入の阻止や駆除が課題となる。
同館では7月に緊急展示コーナーを設け、ヒアリの生態や特徴をパネルや映像で紹介。実物の標本も展示しているが、体長2・5〜6ミリと小さいため、「一般の来館者には正直、分かりづらかった」という。
そこで7月末、精巧なレザーアート作品を手掛け、同館とも親交の深い造形作家・河野甲さん=京都府木津川市=に模型の制作を依頼。河野さんは働きアリの標本を基に約1カ月で完成させ、展示に加えた。
胸部と腹部の間に小さなこぶが二つあり、10節の触覚のうち先端の2節が太く膨らんでいるなど特徴を捉えてリアルに再現。赤茶色っぽく色付けされたレザーはしっとりとつやがあり、今にも動きだしそうだ。
橋本研究員は8月末、すでにヒアリが定着した台湾を訪問。都市近郊の草地や農地にも営巣し、採集時に手を2カ所刺された。「大事には至らなかったが本当に痛かった」という。
ヒアリが国内で発見されて以降、在来のシリアゲアリやアリグモなどが間違って駆除される事例も相次いでいるといい、橋本研究員は「適切に対応できるよう、他のアリとの違いを知ってほしい」と話す。
同館TEL079・559・2001
(神谷千晶)
Posted by jun at 2017年09月19日 15:22 in 外来生物問題, 各種イベント