青森県と秋田県にまたがる十和田湖の2015年度の透明度が12.1メートルとなり、1985年度以来、30年ぶりに目標値の12メートルをクリアした。青森県によると、透明度が増した要因は多岐にわたるが、湖に生息するプランクトンの種類の変化、下水道接続率の向上など汚濁防止に向けた関係機関の取り組みが挙げられるという。さらに透明度との因果関係ははっきりしないものの、同湖名産のヒメマスの漁獲量も近年、豊漁が続いている。
透明度調査は両県が分担する形で4〜11月に月1回実施。湖の中央地点に直径30センチの白色円盤を沈め、見えなくなる深さを測る。
青森県環境保全課によると、84年度までは多くの年で12メートルを超えていた。しかし、その後は低下し、2004年以降7.5〜10メートル程度で推移。餌となる大型プランクトンを巡り、ヒメマスとワカサギが強く争って湖内の生態系が変化し、水質悪化に拍車が掛かった可能性が指摘されてきた。透明度低下に伴い、1985年度以降はヒメマス漁獲量も低迷している。
両県は2001年、水質改善とヒメマスの資源量回復を目指し、▽透明度12メートル以上▽水質汚濁の指標であるCOD(化学的酸素要求量)を1リットル当たり1ミリグラム以下にする−との目標値を定め、取り組みを示した「十和田湖水質・生態系改善行動指針」を策定した。
01年度末の湖流域の一般世帯・宿泊施設などの下水道接続率は青森県側90.8%、秋田県側68.4%だったが、13年度末には青森県側94.1%、秋田県側82.8%に向上。このほか、砂防工事などで発生する濁水などの処理対策に力を入れるなどの対策を講じた。
その結果、透明度は15年度、指針策定後で初めて目標値をクリア。CODは近年、湖の中央地点、子ノ口とも1リットル当たり1.5ミリグラムで推移しており、目標値を達成できていない。
青森県環境保全課によると、最近は湖内に生息するプランクトンの種類に変化がみられるという。13〜15年、ヒメマスの餌のプランクトン「ハリナガミジンコ」が高水準で出現。日照などさまざまな要因が関係しているとみられるが、透明度に影響を及ぼす要因の一つとみている。
同課の石坂直人課長は「単年度の結果に一喜一憂せず、今後もコンスタントに目標値を達成できるか、長期的な推移を見ることが重要だ」と話している。