2016年11月10日

絶滅危惧・イタセンパラ、繁殖期深場で群れ形成 氷見市教委・西尾さんら解明

 氷見市教育委員会の西尾正輝主任学芸員(36)らは、国指定天然記念物の淡水魚・イタセンパラが、秋の繁殖期に川の深場で群れを形成することを突き止めた。国内で解明されていなかった生態が新たに分かり、市の進める市民参加型の保護活動に生かす。

 イタセンパラは野生で絶滅する危険性が極めて高い環境省の絶滅危惧(きぐ)IA類に指定され、寿命は約1年。5月の仔魚(しぎょ)(体長約1センチ)の段階で群れを形成するが、以降は成長につれて単独行動に移ると考えられていた。

 約6センチまで育つ繁殖期には雌が水深20〜30センチの浅場でイシガイなど二枚貝の中に卵を産み、体が赤に変色した雄が精子を放ち、受精が行われる。産卵直前には、雄が単独で二枚貝の周囲に縄張りを形成すると推測されてきた一方、雌の行動は分からなかった。

 2013、14年秋に氷見市の万尾川で、西尾主任学芸員や川上僚介調査員(24)らが調査を実施。水深50センチ以上の深場で、雄と雌が計30匹程度集まり群れていることを確認した。産卵を控えた雌は餌を食べ、雄が体力を温存している様子も見られた。

 深場には天敵のブラックバスやナマズなども生息するが、イタセンパラは群れで大きく見せる幻影・混乱効果により、身を守っている。雄は単独で二枚貝の周囲に縄張りを形成するとされてきた推測も、水中写真で裏付けた。

 研究成果は今月4日付で日本魚類学会の「魚類学雑誌」に受理され、来年4月に掲載される。西尾主任学芸員は「万尾川に群れを形成しやすい環境があると考えられる。成果を14年に完成した保護池に活用したい」と話した。

+Yahoo!ニュース-信越・北陸-北日本新聞

Posted by jun at 2016年11月10日 14:46 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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