2016年06月01日

<アライグマ>近畿で急増 10年で捕獲10倍

 農作物を荒らす特定外来生物のアライグマの捕獲数が、近畿2府4県で急増していることが各府県のまとめで分かった。2004年度は約1100頭だったが、14年度には約1万1700頭と10倍を超え、農業被害は約1億4200万円に上った。数を減らす有効な手段がなく、自治体や農家は頭を抱えている。

 アライグマは北米が原産。環境省などによると、1977年にテレビアニメ「あらいぐまラスカル」が放映されて人気が高まり、ペットとして盛んに輸入された。気性は荒々しく、成長してから逃げ出したり、捨てられたりして野生化が進んだとみられる。

 大阪府動物愛護畜産課によると、国内には天敵がいない。繁殖力が強く寿命は5年程度で、毎年春に3〜6頭ぐらいの子を産む。甘い物が好きで、大阪府内ではスイカ、ブドウ、トウモロコシなどが食い荒らされている。

 05年6月の外来生物法施行に合わせ、環境省は特定外来生物に指定。各府県が防除計画を作って駆除に乗り出しているが、なかなか減らない。

 兵庫県の捕獲数は98年度の2頭から14年度は5121頭に、大阪府は01年度の3頭から14年度は1590頭に跳ね上がった。全国で13年度に捕獲されたのは約2万3000頭で、近畿が約9000頭を占めた。なぜ近畿が多いのか、理由はよく分かっていない。

 大阪府柏原市のブドウ農家、生津(なまづ)浩司さん(42)の畑では10年ほど前から被害が出た。以前はデラウェアが色づき始める5月上旬から、毎日のように食い荒らされた。「爪の傷がつくだけで商品価値はなくなる。1.5ヘクタールの畑のうち10分の1ぐらいはやられた」と言う。

 ただ、昨春から電気柵とネットを組み合わせた高さ約70センチの柵を設けると、被害は減ってきた。生津さんは「生息数を減らさない限り、抜本的な改善にはならない」と嘆く。

 北海道大大学院の池田透教授(保全生態学)によると、アライグマは亀、カエル、鳥の卵のほか、サンショウウオなどの希少種なども食べ、生態系に大打撃を与える。池田教授は「好奇心が強く、家の中にも平気で入ってくる。行政と地域住民が、地域を守るという意識で連携する必要がある」と話す。【遠藤浩二】

+Yahoo!ニュース-国内-毎日新聞

Posted by jun at 2016年06月01日 11:39 in 外来生物問題

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