豊かな自然が水辺を彩る静岡市葵区の麻機遊水地で、見学に訪れる人たちのガイド業務を障害者の自立につなげていこうという取り組みが動きだした。「広くてどう歩けばいいか分からない」。そんな声が多く聞かれる遊水地を障害者の案内で回る有料ツアーの実現に向け、地元の授産施設や市内ライオンズクラブの関係者、大学生らが力を合わせている。
ガイド役に想定されているのは、これまでも遊水地の整備に関わってきた障害者就労継続支援A型施設「モリス」(同区)の利用者ら。ツアーの具体化を後押ししようと11月中旬には、静岡、葵、橘、青葉、芙蓉の5ライオンズクラブが二つの“秘密兵器”を用意した。
見学者がガイドの説明をイヤホンを通して聞くことができる音声システムと、AR(拡張現実)と呼ばれる技術を使って遊水地を紹介するハイテク看板。音声システムはモリスに、看板は遊水地の環境保全や自然再生を目指す「ベーテル麻機部会」に贈られた。
遊水地の第3工区に設置された看板には地図と植物などの写真が掲示され、スマートフォンやタブレット端末の専用アプリで写真を読み取ると、遊水地の自然などについて説明する動画が再生される。
デザイン、動画を手掛けたのは常葉大造形学部の学生ら。動画は実際に遊水地を歩いて撮影、編集した。2年の男子学生(20)は「遊水地の特徴が分かるよう工夫した。動画を見ながら散策を楽しんでほしい」と期待する。
ツアーは、ARの動画とモリス利用者による音声ガイドを組み合わせて行う仕組みが検討されている。モリスの清水光弘代表理事は「環境保全を通して障害者が社会の一員として自立できる場所になれば」と思い描く。
<メモ>麻機遊水地 1974年の七夕豪雨をきっかけに河川の氾濫防止を目的に整備された。整備に伴って形成された池や沼などに多様な植物や野鳥、昆虫が生息する。絶滅危惧種も多く、2001年には「日本の重要湿地500」に登録された。水質悪化や外来種移入などの問題に対し、行政や地元住民らが協力して保全や再生に取り組んでいる。
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Posted by jun at 2016年01月12日 14:31 in 外来生物問題, 内水面行政関連