2015年09月29日

危険外来スズメバチ、住民に広がる不安 環境省封じ込め必死 北九州市

 国内では長崎県・対馬だけで確認されていた特定外来生物「ツマアカスズメバチ」の巣が、北九州市門司区で見つかったと発表されて1週間。近隣住民に不安が広がる中、環境省は18日、現地で生息状況調査を始めた。外来昆虫に詳しい九州大の上野高敏准教授(昆虫学)は「本土で巣が確認された以上、どこで見つかっても不思議ではない。侵入を防ぐのは不可能に近く、国や自治体はいち早く駆除できるよう準備する必要がある」と訴えている。

 環境省九州地方環境事務所はこの日、ツマアカスズメバチの巣が見つかった下水処理場から約500メートル離れた小倉北区内の公園を調査。双眼鏡で巣や個体がないかを確認した田上真吾・野生生物課企画官は「目視した限りでは確認できなかった。まだ(侵入の)初期段階だと思う」と述べた。木々には、ハチをおびき寄せる誘引剤入りのペットボトル製のわなを仕掛けた。わなは同市内と山口県下関市に計千個を設置し、10月下旬まで1週間おきに確認を続ける。

 体長2〜3センチのツマアカスズメバチは、全体的に黒っぽく腹部はオレンジ色。中国南部原産とされるが、繁殖力が強く韓国や欧州にも侵入。主にミツバチを含む昆虫類を餌にし、養蜂業への影響も懸念される。日本国内では、2012年に対馬で発見。門司では8月28日に処理場内で巣が見つかり、今月10日にツマアカスズメバチと判明した。

 近くで酒販店を営む田村洋文さん(47)は「こんな市街地の近くで見つかるとは思わなかった。習性が分からないので、どんどん巣を作られると怖い」と話す。現場は関門海峡やJR門司駅にも近く、上野准教授は「放っておくと全国に拡大する恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 門司で見つかったツマアカスズメバチは腹部のオレンジ色の部分が韓国のハチに似ているため、「北九州や下関へのフェリーやコンテナ航路がある釜山から侵入した可能性が高い」(上野准教授)。地球温暖化の進展で生息域を拡大し、グローバル化の影響で移動しやすくなっていることが、侵入の背景にあるという。

 上野准教授は「国境を越えてヒトやモノの往来が進む中、外来種の駆除は初動が重要。広がらないうちに集中的に調査し、撲滅させる必要がある」と強調している。

+Yahoo!ニュース-国内-西日本新聞

Posted by jun at 2015年09月29日 10:08 in 外来生物問題

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