サケがさかのぼる本州随一の川として知られる岩手県宮古市の津軽石川で、本来なら遡上(そじょう)の主力となる4歳魚が極端に少なく、5歳魚が圧倒的に多いことが県水産技術センターの調査で分かった。2011年の東日本大震災で放流前の稚魚が流され、多くが生き残れなかったためと分析している。
同センターによると、通常は回帰するサケの9割以上が3〜5歳魚で、うち6割前後を4歳魚が占めるという。ところが、昨年12月22日に樹木の年輪にあたるサケの「鱗相(りんそう)」を調査したところ、雌99匹中5歳魚が93匹(94%)で、4歳魚と6歳魚が各3匹しかいなかった。雄98匹では5歳魚が74匹(76%)、4歳魚が10匹、6歳魚8匹、3歳魚が6匹だった。
津軽石川では、河口で捕獲した雌から卵を確保し、宮古漁協津軽石ふ化場が稚魚を生産・放流しているが、震災で施設が大きな被害を受けた。施設に被害のあった同県釜石市の片岸川でも似た結果が出ているという。
県によると、県内29河川のサケの捕獲量は、震災前の10年末で約50万6000匹だったが、11年末には約35%減となった。13年末には震災前の水準に戻ったものの、昨年末は約41万匹に減少した。
同センターの小川元・上席専門研究員は「今までになかった現象で、震災の影響は間違いない」と話す。津軽石川鮭(さけ)繁殖保護組合の山野目輝雄組合長は「3歳魚が少ないのも気になる。4歳魚となって帰る来季の漁に影響がなければいいが」と心配する。【鬼山親芳】
Posted by jun at 2015年01月08日 16:24 in 魚&水棲生物, 自然環境関連