富士山5合目付近で外来植物の繁殖が目立ち、本来の生態系や景観を壊す恐れが出ている。富士山の世界遺産登録で環境保全への関心が高まるなか、県富士山科学研究所(富士吉田市)は来年度までの2カ年で新たに登山道沿いの実態調査を行う。
同研究所は茨城大と共同で2012年夏、観光施設が集まる5合目〜奥庭駐車場の2・8キロで、有料道路「富士スバルライン」沿いを調査。その結果、ヨモギ、ウシノケグサ、セイヨウタンポポなど外部から持ち込まれた植物が56種確認された。斜面工事などを行う車両が運ぶ土、観光客の衣服についた種から繁殖したとみられる。
今年度からの調査は、世界遺産登録を受け、5合目山腹の御中道(おちゅうどう)や7合目までの登山道に範囲を広げて行う。調査を担当する中野隆志・主幹研究員(52)=植物生態学=によると、特に懸念されるのは、いずれも既に登山道沿いで確認されているヨモギとバッコヤナギ。中でもバッコヤナギは、在来種のミヤマヤナギと交配して雑種化する可能性もあるという。
中野研究員は「各地の世界遺産などでは植生が変わり、地表の色など景観が変化した例もある。外来種が生態系の中に入り込むと、富士山の景観も壊される可能性がある」と指摘。植生の観点からも富士山の保全に取り組むよう訴えている。【小田切敏雄】
Posted by jun at 2014年06月05日 13:41 in 外来生物問題