2014年04月03日

サクラマス交雑ますます広がる 県水産研が調査

 県水産研究所(滑川市)の調査で、希少種のサクラマスと、生物分類で近い関係にある近縁種のサツキマスとの交雑が神通川支流の井田、熊野川両水系で確認された。小型化を招く交雑は、神通川本川や熊野川の一部で報告されていたが、さらに広い範囲で見つかった。調査を担当する村木誠一主任研究員は「幸い純粋種だけが生息する場所も見つかっており、資源保護につなげたい」と話している。(社会部・中谷巌)

 サクラマスは秋に川の上流部で産卵し、翌春ふ化する。稚魚は川で1年間を過ごした後、一部は日本海北部などを1年回遊。春先に生まれた川に戻って大きなふちで半年間過ごし、秋の産卵期を迎える。

 神通川は全国でも漁場として名高いが、明治期に年間約170トンあったサクラマスの漁獲は、ダム建設など河川環境の変化で近年、1トン前後に減っている。絶滅の恐れがある野生生物を選定した県版レッドリストに含まれている。

 十数年前からサクラマスの小型化が指摘され、調べたところ、もともと神通川にいなかったサツキマスや交雑種が確認された。岐阜県で放流されたアマゴ(サツキマス)と交雑したとみられる。

 2000〜02年にそ上したサクラマスの遺伝子の違いを分析したところ、12〜30%が交雑種だった。

 県水産研究所は純粋種保全と、代々神通川で育ってきたと考えられるサクラマスを探すため、10年度から5年計画で井田、熊野川両水系の調査をスタート。上流域の、ダムや堤防によって隔絶された水域を中心に魚を採集し、遺伝子を調べている。

 井田川水系では9地点のうち3地点で計61匹を捕まえ、8割以上の53匹にサツキマスの特徴である赤い斑点があった。熊野川水系では15地点のうち11地点で計110匹捕まえ、斑点のある個体はなかったが、遺伝子分析を終えた65匹のうち12・3%は交雑種だった。神通川水系の広範囲で遺伝子のかく乱が起きていることが浮き彫りになった。

 サクラマスは重さ3キロほどに成長するが、サツキマスは1キロに満たないという。村木研究員は「純粋種が減るだけでなく、小型化によって産卵数が減ったり、サクラマスそのものの価値が低くなる恐れがある」と指摘する。

 調査によって細かい支流でサクラマスの純粋種だけが生息する区域が確認された。村木研究員は「資源保全にとっては光明」と話す。調査は14年度まで行い、純粋個体群やその生息水域の保護に役立てる。北日本新聞社

+Yahoo!ニュース-富山-北日本新聞

Posted by jun at 2014年04月03日 16:23 in 魚&水棲生物, 内水面行政関連

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