茨城町と大洗町、鉾田市にまたがる涸沼(ひぬま)のラムサール条約への登録を目指し、県が準備を進めている。ラムサール条約に登録されると、観光客の誘致など経済効果のほか、最下位に低迷する県のイメージアップにもつながることが期待される。
水鳥の生息地として重要な湿地を国際的に保全するラムサール条約には、国内では46カ所、約13万8千ヘクタールの湿地が登録されている。県内では古河市と栃木、群馬、埼玉各県にまたがる渡良瀬遊水地が24年7月に登録され、涸沼、霞ケ浦・北浦、利根川下流地域の3カ所が環境省から潜在候補地に選定されている。
県は、涸沼の登録を目指し、今年に入って3市町と勉強会を開催。来年度は、勉強会を協議会に格上げして登録と登録後の活動について検討する。
県環境政策課によると、涸沼は全域が県鳥獣保護区に指定されており、指定が満期となる来年10月をめどに国指定鳥獣保護区へ切り替え、ラムサール条約への登録要件を満たすという。
27年には南米のウルグアイでラムサール条約の会議が開催されることから2年後の登録を目指す。
環境政策課などによると、汽水湖である涸沼はシジミや小魚が豊富で、鴨や雁、シギやチドリなどの渡り鳥、猛禽(もうきん)類のオオワシやオジロワシなど約90種の鳥類を確認。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているヒヌマイトトンボやスズカモなど希少種も生息する。
環境政策課では「ラムサール条約に登録されると、コメや特産のヤマトシジミなどの農水産物が『ラムサールブランド』として販売できるほか、観光客の誘致や小中学生への環境教育への活用など、多くのメリットがある」という。シジミ漁などの漁業や釣りなどに規制がかかることはないといい「デメリットはまったくない」と強調する。
涸沼でハゼ釣りをしていた水戸市の男性(65)は「ラムサール条約に登録されれば、県庁所在地の近くに素晴らしい自然があることを多くの県民が誇りに思う」と期待していた。
Posted by jun at 2013年11月02日 17:07 in 自然環境関連