2012年11月20日

琵琶湖の生態系守れ 固有種成育の場「内湖」再生へ 外来魚の駆逐も

 琵琶湖固有種のニゴロブナやホンモロコをブラックバスなどの外来魚から守るため、滋賀県が琵琶湖沿岸にあり水路でつながる内湖(ないこ)33カ所の再生に本格的に乗り出すことが20日、分かった。内湖は水の流れが穏やかで固有種の産卵と稚魚の成育に最適で、内湖に入った外来魚を駆逐するため水路の仕切り設置などを検討する。今年度中に再生ビジョンを策定、生態系維持の切り札にしたいという。

 琵琶湖では平成に入り、ブラックバスやブルーギルなど、外来魚が大量に繁殖。県は釣り客らに、リリース(再放流)を禁止するとともに回収も呼び掛けているが、外来魚の生息数は昨年度で推定1330トンにも及ぶ。一方、かつてニゴロブナは500トン、ホンモロコは200〜400トンの漁獲量があったが外来魚に食べられるなどし、それぞれ41トン(平成21年)、10トン(同)まで激減している。

 内湖は琵琶湖と水路で結ばれ、水の流れが穏やかなほか、外来魚から身を守れるヨシが群生することが多く、固有種の産卵場所に適している。だが、現在の内湖は農業用ため池か水辺の公園となっており、外来魚も入り込んで固有種の成育場所として十分機能していない。

 このため、滋賀県は、内湖の機能を復活させ固有種の成育場所とするため、有識者による検討委員会を設置。今年度中に策定する再生ビジョンとして、内湖の外来魚を水中に電気を流して気絶させる「電気ショッカーボート」による駆除や、内湖と琵琶湖とを結ぶ水路に堰(せき)を設け、外来魚の侵入を防ぐことなどを検討する。県はビジョンを踏まえ来年度から、内湖それぞれの広さや水質環境を考慮したうえで具体的な方法を決める。

 県琵琶湖政策課の担当者は「管理面では地元の協力が不可欠となる。地域住民と連携しながら内湖再生を進めていきたい」と話している。

 【用語解説】内湖

 もともと湖の一部だった水域が、河川からの土砂や風で運ばれた砂などの堆積で、湖と隔てられた水域だが、湖とは細い水路で結ばれている。国内にはほとんど例がなく、海外では主にカスピ海など規模の大きな湖にある。琵琶湖では、昭和初期には約40カ所あったが、戦後の食糧難で農業用地として干拓され、現在は33カ所に。面積は昭和15年の計2901ヘクタールから現在は計535ヘクタールまで減った。

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Posted by jun at 2012年11月20日 16:15 in 外来生物問題, 自然環境関連, 内水面行政関連

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