水中の単細胞の微生物が藻類を食べる際、光合成によって生み出された葉緑素の猛毒を、体内で毒性のない物質に変える能力があることを、立命館大学グローバルイノベーション研究機構の柏山祐一郎・博士研究員(地球科学)ら同大や筑波大の研究グループが世界で初めて突き止め、科学雑誌「米国科学アカデミー紀要」の電子版に特別論文として掲載した。
葉緑素は、藻や植物に含まれ、光エネルギーを化学エネルギーに変換する光合成の働きを担う一方で、その際に猛毒の活性酸素を生み出すことで知られている。
しかし、水中に生きる単細胞の微生物は葉緑素を持つ藻類をエサとしているにもかかわらず死なないでいることは未解明だった。
研究グループは、水中の単細胞生物が、活性酸素を含む葉緑素を体内に吸収すると、化学反応を起こし、毒性がない別の有機化合物「シクロエノール」に変換させることを発見。また、琵琶湖や太平洋で調査すると、表層付近では葉緑素、底の付近では毒性がないシクロエノールがそれぞれ比較的多く、底の付近では、単細胞生物が藻類を食べ、体内で活発に解毒作業を行っていることが裏付けられた。
また、シクロエノールが海や湖、水たまりなど水がある場所であれば、どこでも見られる化合物で、単細胞生物の解毒作用が、水中の食物連鎖の中で重要な意味をもつ可能性があるという。
研究グループでは「水中の生態系を解明するうえで、今回の研究は貴重な足がかりになる」としている。
Posted by jun at 2012年10月02日 23:13 in 魚&水棲生物