【北京=川越一】中国南部の広西チワン族自治区柳州市が“食人魚”騒ぎで沸いた。生態系を壊しかねない外来種の食人魚を駆逐するため、市政府が1匹につき1千元(約1万2千円)の懸賞金を出すと発表。釣りざおや網を持った市民が河畔に殺到した。
中国メディアによると、市内を流れる柳江で今月7日、飼い犬を洗っていた男性が3匹の見慣れぬ魚に襲われて指の付け根の一部を食いちぎられた。捕獲した1匹を調べたところ、南米原産のピラニアと判明。写真がネットで公開され、騒動が拡大していた。
中国農業省は約10年前に、ピラニアの輸入を禁止しているが、観賞用として今でも中国国内に持ち込まれている。同自治区は亜熱帯性気候とはいえ、冬季の水温は15度以下となりピラニアの生息には適さない。今年に入ってから飼い主が、無責任にも柳江に放した疑いが強い。
市政府のピラニア捕獲作戦は大まじめで、エサとなる肉も用意し、市民に参加を呼びかけた。地元の漁業組合関係者らは、男性が襲われた地点の周辺15キロの流域でピラニアを追った。しかし、仕掛けた網などに掛かるのは他の在来種ばかり。市政府は13日午後6時で懸賞金を打ち切った。
中国では乱開発で環境破壊が深刻化している。結局、ピラニアは見つからなかったが「捕獲作戦が、もともと生息している中国固有の魚の生態系へも影響を及ぼしかねない」と懸念する声があがるなど、ピラニア騒動のおかげで生態系保護に対する関心が高まった形だ。
Posted by jun at 2012年07月17日 16:57 in 海外フィッシング事情, 外来生物問題