大津市の園城寺(三井寺)の千団子(せんだんご)祭(19〜20日)で子どもの成長を願って放流される日本固有の「イシガメ」が全国的に減る中、同寺はイシガメ専用の飼育舎を境内に新設した。産卵を見守り、寺で育った亀を祭り当日に放生池に放つ。同寺は「各地で増えている外来種の亀を放つわけにいかず、日本固有種を育てて伝統を守りたい」としている。
千団子祭では子どもの守り神・鬼子母神(きしぼじん)の子を供養するために千個の団子を供え、お堂前の放生池にイシガメを放す放生会を営む。亀の長寿にあやかろうと、放流を希望する家族連れが子どもの名と年齢を甲羅に記して池に放つ姿は、初夏の風物詩になっている。
同寺は例年、祭り前に県内の農家などに里山や田畑でのイシガメ収集を依頼。以前は800匹が集まったこともあったが、近年は200匹弱しか集まらず、希望者全員に行き渡らない年も続いた。
琵琶湖博物館(草津市)によると池や川などの水辺がコンクリートになり、生息環境が悪化。一方、ミシシッピアカミミガメやミドリガメなど繁殖力の強い外来種が増え、「イシガメは各地で追いやられている」という。
三井寺では7年前に作った飼育小屋を拡充する形で昨夏、専用の飼育舎(縦3メートル、横10メートル)を新設。放生会の後、池から逃げ出すイシガメを保護して餌を与えてきた。産卵できるよう砂地も設け、現在、新たに生まれた赤ちゃん亀も含めて約200匹がスクスクと育っている。
祭り当日までには、農家からも多くのイシガメが持ち込まれる予定。同祭は従来16〜18日だったが、昨年から5月中旬の土日に開くことにした。今年は19日午前10時からの法要後、放流ができる。植木市や大道芸もある。問い合わせは同寺TEL077(522)2238へ。