生態系を脅かす外来種のシジミ「タイワンシジミ」が京都府久御山町の城西土地改良区の用水路で広がっている。1990年代後半から京滋や大阪で確認されているが一般にはあまり知られておらず、見つけた「伏見の淡水魚を守る会」代表久乗正光さん(70)=京都市伏見区=や専門家は「地域の自然に関心を持って」と話している。
久乗さんが同町藤和田で在来種のマシジミとは異なる淡黄色のシジミが大量に繁殖しているのを見つけ、大阪市立自然史博物館に持ち込んで鑑定してもらった。伏見区内の水路でも繁殖の疑いがあるという。
同博物館によると、タイワンシジミは中国や台湾が原産地で、輸入した一部が野生化しているという。繁殖力が強く、子は精子の遺伝子のみを受け継ぐため、マシジミを駆逐する恐れがある。1994年に大津市の瀬田川で、2000年前後には左京区の平安神宮や山科区の琵琶湖疏水でも見つかっている。
ところが、マシジミと区別が付きにくく、農業などへの被害が少ないとあって関心は高くない。同土地改良区の農家曽束竹司さん(58)は「シジミが増えているとは思ったが、詳しくは知らなかった。稲の苗を食べるジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は気になるが」と話す。
同博物館の石田惣学芸員(38)は「ほぼ全府県に広がり、駆除は難しい。他の場所にまいたり、飼育したりしないなど、これ以上広げないことが大切」と話している。