2011年11月28日

<福島・松川浦>水底の生物、津波で種半減 生態系に影響

 3月の東日本大震災に伴う津波の被害を受けた福島県相馬市の松川浦で、貝など水底に生息する生物(底生生物、ベントス)の種の数が震災後に半減していることが東北大の調査で分かった。底生生物は沿岸の生態系の基礎になり、水産業復興のためにも種の多様性を回復させる取り組みが求められる。

 松川浦は水深最大約5.5メートル、面積738ヘクタールの大型干潟。海水と真水が混合した塩分の低い汽水湖で、ノリやカキの養殖、潮干狩りが盛んだ。

 調査は、全国約1000カ所で継続的に実態調査を行う環境省や松川浦で水産業支援に取り組む環境団体「世界自然保護基金(WWF)ジャパン」の委託を受けて、鈴木孝男・東北大助教(底生生物生態学)が実施した。

 環境省の震災前の調査では干潟全域で約190種の底生生物が確認されていたが、震災後には83種しか確認できていない。特に被害が大きかった調査地点では、昨年5月には55種確認できたが、今年6月には24種、同9月にも26種しか確認できなかった。

 津波によって表層の土ごと流されたとみられ、特に表層に生息する種が減少し、巻き貝類で絶滅が懸念されている「カワアイ」や「フトヘナタリ」は震災後見つかっていない。通常は土に潜っている二枚貝の「オキシジミ」「サビシラトリガイ」なども、表面に巻き上げられた死殻が多く見つかった。底生生物全体の個体数も激減しているという。

 環境省生物多様性センターによると、松川浦のほか、岩手県大槌町の干潟で、津波の被害で魚の生息場となる藻場のほとんどが消失し、宮城県南三陸町の志津川湾でも海藻に被害が確認されている。

 鈴木助教は「干潟や藻場に生息している底生生物は稚魚の餌になり、食物連鎖の中心的な役割を担う。水産業の復興のためには、種が残った場所を保全し、干潟の状態を回復させて多様性を取りもどす取り組みが欠かせない」と指摘する。【関東晋慈】

+Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by jun at 2011年11月28日 15:46 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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