◇DNAなど詳細調査へ
県水産振興センターと山梨県水産技術センターは合同で、70年ぶりに山梨県富士河口湖町の西湖(さいこ)で確認されたクニマスの秋季の生態調査を始めた。13、14両日に行われた初調査では、クニマスの可能性の高い3匹を捕獲した。【小田切敏雄】
生態調査はこれまで冬季〜春季の産卵期に行われている。クニマスなどのサケ科魚類は産卵すると死ぬ。西湖では昔から「クロマス」と呼ばれる魚が浮き上がり、ヒメマスも産卵期には黒くなるなど、クロマスとクニマスとの関連が指摘されていた。
冬〜春の産卵期の調査ではクロマス11匹を捕獲。うち9匹は、クニマスの特徴である消化酵素を出す器官の「幽門垂(ゆうもんすい)」の数が少なく、エラ部分の「サイハ」の数が多いことから、クニマスと推定されている。
秋季の調査では刺し網で捕獲し、水温、プランクトン、水の中の酸素量、DNA型などを調べる。今回は春に行った西湖西岸の禁漁区と「湖心部」(深さ約70メートル)の計3カ所で実施した。捕獲したのは体長25〜30センチの23匹。間もなく死んだが、うち3匹は頭部から尾にかけての黒い斑点が見当たらないことから、クニマスの可能性も指摘されている。
クニマスは産卵期以外は湖底で生息しているとされるが、今回の3匹は深さ約20メートルの比較的浅い部分で捕獲された。同センターの三井潔所長は「秋田県の田沢湖は水深が深い。3匹がクニマスとすれば、夏から秋に西湖では浅い場所に上がっている可能性もある」と指摘している。同センターは3匹を京都大の中坊徹次教授に送る。西湖のヒメマス解禁となる来月ごろにも、秋のクニマス生態調査を計画している。
クニマスは仙北市の田沢湖の固有種だったが、約70年前に絶滅したとみられていた。9月17日朝刊