2010年08月24日

<ハス>愛知県安城市の本證寺で復活 COP10でも紹介

 戦国時代に徳川家康と戦った三河一向一揆の拠点として知られる愛知県安城市の県史跡・本證(ほんしょう)寺の堀で、ハスの名所が十数年ぶりに復活した。地元住民と生物研究会、市教育委員会がハスの芽を食うアメリカザリガニなどの外来種を駆除し、本来の生態系を取り戻した結果とみられる。文化財保護の立場から生物多様性の保全に三位一体で取り組んだ事例として、10月に名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の関連イベントで紹介される。【安間教雄】

 同寺は1959年に県史跡指定。境内(面積約2万3200平方メートル)の周囲の堀(幅5メートル前後)は夏にハスの葉で覆われ、花が咲き乱れるハスの名所だった。しかし徐々にハスが衰え、十数年前から見られなくなった。

 地元の学者らで作る生物研究会「日本カメ自然誌」が06年度から2年間、市教委の委託で堀を調査。外部から持ち込まれたアメリカザリガニやミドリガメ、ライギョなど約10種類の外来種が大量繁殖し、フナやカエル、ドジョウなどの在来種が激減していた。研究会はハス消滅を外来種に芽を食われた結果と推定。09年度から市教委とハスの再生作戦に乗り出し、地元住民18人が加わって09年11月に「本證寺ハスの会」を結成した。

 同会は、月3日間は堀の十数カ所に仕掛けの網を置き、毎回1000匹前後かかる魚類などから在来種は戻し、外来種は駆除してきた。山門の南北の堀(各縦7メートル、横30メートル)にハスの株を植えたのは今年3〜4月。南側の74株は発芽3週間ほどで外来種に切られたとみられる葉が水面に浮いたが、北側の約100株は堀いっぱいに育ち、7月20日ごろから十数年ぶりに白い花を咲かせた。研究会代表の矢部隆・愛知学泉大教授(動物生態学)は「文化財保護の立場から三位一体で取り組む生物多様性の活動は、今後の環境保護のモデルになりそう。残りの堀のハスもぜひ復活させたい」と話している。

Yahoo!ニュース-社会-毎日新聞

Posted by jun at 2010年08月24日 18:28 in 外来生物問題, 魚&水棲生物, 内水面行政関連

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